冬至

 今年を振り返る今日この頃となっています。




一年の越しかた良しと柚子風呂に  西崎佐知


湯上りの柚子の香まとひ集まりぬ  加藤美津子


わが余生浸りて想ふ柚子湯かな  八巻年子



冬至 柚子湯 2016年12月21日




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冬の詩 冬彦

雪の日  北川冬彦

この竹の筒の中の息苦しさ

この狭い狭い筒の外では いま何処(どこ)で何が起っているのだろう


日本詩人全集27
村野四郎  安西冬衛
北川冬彦

昭和43年12月20日発行
著作者  村野四郎  安西冬衛  北川冬彦
発行所  株式会社新潮社



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冬の詩 冬衛

真冬の書 Mes Cahiers  安西冬衛

常盤木(ときはぎ)は黒く、恒(つね)に私の手は潔(しろ)い。どんな悪徳も、もう私をよごしはしない。
閃(ひらめ)く斧(をの)。
摧(くだ)けちる薪。
営みは真冬(まふゆ)の中にも。
藁(わら)におりて冬蝶は、もうそれとみわけられぬ。
藤波は凪(と)く眠り、家畜達も今は寒を避けてゐる。
ただ道のみが行手にしるい、たとへば徳のやうに。


日本詩人全集27
村野四郎  安西冬衛
北川冬彦

昭和43年12月20日発行
著作者  村野四郎  安西冬衛  北川冬彦
発行所  株式会社新潮社



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冬の詩 冬二

冬の着物  田中冬二

冬になると
私は綿の沢山はいった ふるさとの
あの手織木綿の着物をきる

それは雪の来た山のにおいがする
石臼に碾(ひ)く黄粉(きなこ)のにおいがする

それはまた障子に赤くたばこの葉をかいた家
大きな蝋燭(ろうそく)の看板のさがっている家
――祖先からの古風な家々に
しずかになにか夜延(よなべ)にいそしんでいる
ふるさとのびとのあたたかい心がある



ふるさとにて  田中冬二

ほしがれいをやくにおいがする
ふるさとのさびしいひるめし時だ

板屋根に
石をのせた家々
ほそぼそと ほしがれいをやくにおいがする
ふるさとのさびしいひるめし時だ

がらんとしたしろい街道を
山の雪売りが ひとりあるいている
                少年の日郷土越中にて



日本詩人全集18
中勘助  八木重吉
田中冬二

昭和43年6月20日発行
著作者 中勘助  八木重吉  田中冬二
発行所 株式会社新潮社



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冬の詩 朔太郎

 冬  萩原朔太郎

つみとがのしるし天にあらはれ、
ふりつむ雪のうえにあらはれ、
木木の梢にかがやきいで、
ま冬をこえて光るがに、
おかせる罪のしるしよもに現はれぬ。
みよや眠れる、
くらき土壌にいきものは、
懺悔の家をぞ建てそめし。



冬の海の光を感ず  萩原朔太郎

遠くに冬の海の光をかんずる日だ。
きびしい大浪(おほなみ)の音(おと)をきいて心はなみだぐむ。
けふ沖の鳴門(なると)を過ぎてゆく舟の乗手はたれなるか
その乗手等の黒き腕(かひな)に浪の乗りてかたむく
ひとり凍れる浪のしぶきを眺め
海岸の砂地に生える松の木の梢を眺め
ここの日向(ひなた)に這(は)ひ出づる虫けらどもの感情さへ
あはれを求めて砂山の影に這ひ登るやくな寂しい日だ
遠くに冬の海の光をかんずる日だ
ああわたしの憂愁のたえざる日だ
かうかうと鳴るあの大きな浪の音をきけ
あの大きな浪のながれにむかつて
孤独のなつかしい純銀の鈴をふり鳴らせよ
わたしの傷(いた)める肉と心。



日本詩人全集14  
萩原朔太郎

昭和41年12月10日発行 
著作者萩原朔太郎 
発行所株式会社新潮社



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プロフィール

むさしの想坊

Author:むさしの想坊
 これから何が飛び出してくるのでしょうか。ひきだしの奥にしまっていたものと合わせ、足跡を綴っていきたいと思います。
 昨日は金環日食をみることが出来ました。
・東京スカイツリー開業日の2012年5月22日記。

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