手元に残す本なのかどうか・・・ 断捨離 中国艶ばなし

2018/ 06/ 14
                 
 
  金瓶梅(〈※1〉)は、四大奇書(〈※2〉)の一つというのは、ご存知のことと思いますが、杏花天、浪史奇観、如意君伝、繍榻野史などの本の名前は聞いたことがありますか。
 何れも、知る人ぞ知る、中国艶笑文学書として知られています。

 永井荷風に傾倒し「荷風論」を著した奥野信太郎ですが、中国文学の第一人者として世に知られていました。難解な中国古典を紐解く傍ら、こんな艶ばなしも書き著していたのです。




  手元に残す本の多いこと。

 この本はどうしようかなと、迷う本も少なからずあります。

 奥野信太郎が書き著した「中国艶ばなし」。文藝春秋社から、1963年12月20日に初版が発行されています。
 前回の東京オリンピックは1964年に開催されましたから、その前年というと、かれこれ55年が経っているということになります。
 その年、私は何歳だったのかなとふと思ってもみたりしました。

 帯カバーには、「エロチックで人間味あふれる中国の珍奇な艶ばなしを満載した爆笑読本」と記されています。

 目次は20の項目が記されています。
 ついついその項目をここに列記してみたい誘惑にかられましたが、やめておきますね。




〈註1:金瓶梅(きんぺいばい)

 ・広辞苑第七版:きんぺいばい【金瓶梅】
 明代の長編小説。四大奇書の一つ。100回。蘭陵の笑笑生の作。作者は王世貞など諸説あるが不明。万暦(1573-1620)中期成る。水滸伝中の武松の物語をもとに、富豪西門慶に毒婦潘金蓮を配して家庭の淫蕩(いんとう)で紊乱(びんらん)した状態を描き、それを通じて明代政治の腐敗、富豪階級の頽廃を活写する。金瓶梅詞話。

 ・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
  :金瓶梅:きんぺいばい:Jin-ping-mei
 中国,明の口語章回小説。作者未詳。 100回。 16世紀末頃成立。『水滸伝』から西門慶と潘金蓮の密通のエピソードを借りて発端とし,そこから色と欲の世界を繰広げた小説。山東の豪商西門慶があらゆる不正な手段を用いて富と権勢を手に入れ,彼を取巻く女性たちと悦楽の限りを尽すが,ついに淫薬を飲みすぎて急死するというのがあらすじで,書名は主要な3女性潘金蓮,李瓶児,龐春梅から1字ずつとったもの。その露骨な性描写はたび重なる発禁を招いたが,宋に時代を借りつつ実は当時の社会風俗を浮彫りにし,そこにうごめく人間の欲望を赤裸々に描き出した筆力は凡庸なものではない。 〉



〈註2:四大奇書(しだいきしょ〉

 ・広辞苑第七版:しだいきしょ【四大奇書】
 中国明代の長編小説、水滸伝・三国志演義・西遊記・金瓶梅の四書をいう。

 ・日本大百科全書(ニッポニカ):四大奇書・しだいきしょ
 明(みん)の万暦年間(1573~1619)までに完成をみた中国章回(長編)小説の傑作、『水滸伝(すいこでん)』『三国志演義(さんごくしえんぎ)』『西遊記(さいゆうき)』『金瓶梅(きんぺいばい)』の総称。『水滸伝』は魯智深(ろちしん)・武松(ぶしょう)ら緑林(りょくりん)英雄の世界を、『三国志演義』は群雄割拠の時代の歴史を、『西遊記』は西天取経の旅における孫悟空(そんごくう)の妖怪(ようかい)退治を、『金瓶梅』は悪徳商人西門慶(さいもんけい)を中心とする色と金の世界をと、それぞれ異なったジャンルにユニークな主役・脇役(わきやく)を配して描いており、中国のみならず日本でも広く愛好されている。[大塚秀高]
 . 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)/日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例


                 
        

魯山人味道 獣肉

2018/ 06/ 13
                 

 終活の一つになるのでしょうか。断捨離。
 本も捨てるということで、紐で結わえた7つの束の合計の高さが、今のところ5mほどとなっています。

 魯山人味道(ろさんじんみどう)の本も出てきました。
 目次をパラパラと捲ったら、「猪の味」というところに目がいきました。

 ・・・ 子ども心にも非常に貴重なもののようにそれを抱えて、楽しみにして帰って来た。うちの者も、その肉の美しさを見て非常によろこんでいた。早速煮て食ってみると、果たせるかな、美味い。肉の美しさを見た時の気持ちの動きも手伝ったことだろうと思うが、食道楽七十年を回顧して、後にも先にも、猪の肉をこれほど美味いと思って食ったことはない。私は未だにそれを忘れない。私が食物の美味さということを初めて自覚したのは、実にこの時であった。 ・・・

 この「猪の肉」の項では、獣肉としては、猪肉の他、熊、鹿、猿、兔を食った。と記しています。

 ・・・ それはともかく、当時は豚よりもむしろ猿を食っていた。私なども、ちょいちょい食ったもので、その肉はちょうどかつおの身のように透き通ったきれいな肉であった。感じから言えば、兔の肉に似ているが、当時の印象では、これも脂がなくて、そう美味いものではなかった。しかし、兔の肉よりは美味かった。 ・・・

 北大路魯山人(きたおおじろさんじん)は、この当時10歳くらいの年齢で、家族とともに京都に住んでいました。
 ・・・ 京都堀川の中立売に代々野獣を商っている老舗があって、私はその店によく猪の肉を買いにやらされた。・・・
 ・・・ これは堀川四条の肉屋が持って来たものであったが、・・・
 とも記していますので、当時の京都では、獣肉を一般的に商いしていたことが見て取れます。



                 
        

断捨離・・・本

2018/ 06/ 11
                 
 父の蔵書だった書籍のうち、會津八一に関する書物と和算に関する書物などの数々が、幾つかの段ボール箱に収まっています。

 中原中也と北杜夫の本は、いつの間にかそれなりの数になっていました。
 全集物としては、小林秀雄、大岡昇平、原民喜、ドストエフスキー(翻訳本)、日本文学全集、日本詩人全集なども段ボール箱に入っています。
 日本書紀、古事記、アラビアンナイト(翻訳本)などの古典物もずっしりと重い書物です。
 

 断捨離を決行しようと思い立ったのは、テレビ放送の影響が強いです。
 その一つが、「やすらぎの郷(テレビ朝日系放送.倉本聰作・脚本)」です。第103話中のマヤの部屋で、断捨離について、水谷マヤ(加賀まりこ)が、菊村栄(石坂浩二)の問いにこたえます。「とにかく捨てればすっきりするの」、「サッパリするの、清潔になるの」と。
 もう一つが、NHKの「橋田壽賀子特番」でご本人が語った、「身の回りに置いておいても意味がない」という言葉でした。

 本を捨てると大上段に構えて決意してから、断捨離はほとんど進んでいませんでした。
 まるで座礁した船のような状態が長く続いていました。



モンペリエっ子 艫綱が切れて座礁した舟
  艫綱が切れて座礁した船 
  〈Mezeにて(メーズはトー沼と言う海と繋がっている潟の畔にあります)・「海外生活記」モンペリエっ子〉




 学生時代に集めた専門書は、百冊に満たない数でした。
他の書籍などとともに、ブックオフに引き取ってもらおうとも思ったのですが、地元中学の「エコ(資源回収)活動」に手当することにしました。
 なんとなれば、先日、ブックオフにとりあえず119冊持っていったのですが、33冊分(大人向けコミック15冊含む)しか売れなかったのです。1コイン(500円)に50円玉一つと10円玉を3枚ほど加えた額でした。
 
 その場では、86冊分はお金にならなかったので、引き取ってもらいました。
 その後、買い物をしてから、再びブックオフにとってかえしました。

 「中学校のエコ活動に使いたいので、先ほど引き取ってもらった本を戻して欲しいのですが」と、スタッフに声をかけたところ、34冊の本を返してもらいました。
 「119冊持ってきたうち33冊売れたので、差し引き86冊になると思うんですけれど。」と、丁寧な言葉を使ってダメ押しをしてみたものの、「今、お渡しした分が買わなかった本の全てです。」という言葉が返ってきました。


 まだまだたくさんの本が本棚に並べられたり、ダンボール箱に詰まっています。
 「洋酒マメ天国全36巻」(サントリー発行)など、ものによっては、ネットで売買できそうなものもありそうですが、面倒くさい気もしますので、この数年のうちに、神田の古本屋に声をかけて我が家まで受け取りに来てもらい、買取できるものを引き取ってもらおうと思い始めています。
 残った本は、地元の小学校、中学校のエコ活動(資源回収)に回すつもりです。




                 
        

大宮の文化財 -第一稿- ガリ版印刷

2018/ 05/ 18
                 

 5月17日、さいたま市立大宮図書館に行ってきました。
 (この日以前には、鴻巣市立鴻巣中央図書館、埼玉県立熊谷図書館に足を運んでいます。)
 
 「大宮の文化財 -第一稿-」の本文がガリ版で印刷されていました。ガリ版というのは謄写版という印刷手法の通称ですが、ご存知ですか。
 小学5年、6年の時、「学級新聞」を当番制で毎週発行していましたが、その時以来、随分と長い間ガリ版にはお世話になりました。
 雑集のような詩集のようなものを、物心ついた頃から発行し始めたということもあり、謄写版印刷一式、わが家では私の持ち物になっていました。他校の生徒(男性デス)なども私の部屋を使ってせっせと印刷していたこともありました。

 話を戻します。

 大宮の文化財一覧(目次)の、「二」に、「無形文化財」が四つ並んでいました。
 「深作さゝら獅子舞」、「秋葉さゝら獅子舞」、「今羽さゝら獅子舞」、そして「日新餅つき踊り」です。

 はたして私の探し求めていたものが出てくるのかどうか、とページを捲っていきました。

 ありました。
 原馬室に伝わる「獅子舞略縁起(写)」に関連する巻物と思われる記載が、「深作さゝら獅子舞」と、「今羽さゝら獅子舞」両方にあったのです。

 - ツヅク -




                 
        

100分de名著 生きがいについて 神谷美恵子

2018/ 05/ 17
                 
 「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいをみいだすのだろうか」
 神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。
 本書は、ひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、まさに生きた思想の結晶である。1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著に執筆当時の日記を付して贈る。(解説・柳田邦男)
 -神谷美恵子コレクション 生きがいについて 2018年4月16日 第13刷発行 著者:神谷美恵子 発行所:株式会社みすず書房 -


 『皇后の真実』(著者:工藤美代子著.発行所:幻冬舎)の中で、著者は、当時の美智子妃と神谷美恵子との心の交流を描いています。
 おふたりともに聖書に造詣が深いことでも夙に知られているところです。

その工藤美代子氏は自著『悪名の棺』で、日本の黒幕笹川良一の為人の一端を覗いています。
 母のテルが息子に言ったという「いっそう心して世のため人のために働くよう心がけなあきまへん」という、その言葉を守り続けた笹川は、質素な食生活を好む一方で、世界中のハンセン病患者の施設を慰問し、患者の手を握り励ましました。また終戦直後は、東京裁判の戦犯家族を支援し、関係者からの感謝の手紙が3000通も残っている。と記しています。
 笹川良一の質素な食生活の例としては、夕食のおかずはメザシ2本が定番、ご飯は切り干し大根を一緒に炊いた大根飯、あるいは生卵かけご飯だったそうです。


 閑話休題、

 『生きがいについて』の著者である神谷美恵子は、それは人間が努力して一から作り上げるものではなく、発見すべきものであるといいます。そしてその「生きがい」の発見は、自分が何か大きなものに包まれているという実感から始まる、というのです。と『100分de名著 生きがいについて』のゲスト講師の若松英輔氏は述べていますが、その第2回「無名なものたちに照らされて」の中で、更に次のように語っています。
 《 神谷美恵子にとっての「生きがい」とは何かを発見しようとする旅路は、無名の人たちによって照らされていきました。誤解を恐れずにいえば、『生きがいについて』は、彼女が出会った無名の賢者、無名の英雄たちの記録だといってもよいと思います。》と。

 100分de名著 神谷美恵子 テキスト


 第3回は「生きがいを奪い去るもの」(5月21日放送)、第4回は「人間の根底を支えるもの」(5月28日放送)と続きます。


 第3回「悲しみの深みで他者とつながる」文中に書かれた、神谷美恵子の言葉と、ブッシュ孝子の詩(『白い木馬』:神谷美恵子『こころの旅』所収)を載せて、ページを閉じることに致します。


 ひとたび生きがいをうしなうほどの悲しみを経たひとの心には、消えがたい刻印がきざみつけられている。それはふだんは意識にのぼらないかもしれないが、他人の悲しみや苦しみにもすぐ共鳴して鳴りだす絃のような作用を持つのではなかろうか。 [中略] しかしもしそこにあたたかさがあれば、ここから他人への思いやりがうまれるのではなかろうか。




  暗やみの中で一人枕をぬらす夜は
  息をひそめて
  私をよぶ無数の声に耳をすまそう
  地の果てから 空の彼方から
  遠い過去から ほのかな未来から
  夜の闇にこだまする無言のさけび
  あれはみんなお前の仲間達
  暗やみを一人さまよう者達の声
  沈黙に一人耐える者達の声
  声も出さずに涙する者達の声






 生きがいについて 神谷美恵子 





  皇后の真実 工藤美代子著




  悪名の棺 工藤美代子