皇后美智子さま 全御歌

2014/ 11/ 06
                 

皇后美智子さま 全御歌



 入内(じゅだい)なされて御歌をお詠み始めた美智子様は、自然の色や香りに「美」を感じ、「感性」に響かれ(第一章)、皇室が「伝え」る雅を尊ばれ(第二章)、今上帝とご一緒に「つねに国民と共に」あられながら(第三章)私のご家庭で「吾子」様方をお慈しみ(第四章)、東宮妃となされても后宮となされても「心」と「魂」の奥底からのお痛みの御歌(第五章)を詠まれてゆく。
 いよいよ「平成」の御世(みよ)をお迎えになられては、后宮様となされての本来の希求を高らかに掲(かか)げられ(第六章)、今上帝との恋の贈答歌〈窓〉の御歌と共に、継承するべき〈道〉の御歌(第七章)を詠み上げられてゆく。それこそが今上帝と御祈願なされた〈新しい国の形 - 「平和」な日本 - 〉。
 ・・・   ・・・   ・・・ 《「はじめに」 秦 澄美枝》
皇后美智子(こうごうみちこ)さま 全御歌(ぜんみうた)   釈  秦 澄美枝 
        発行2014年10月20日  発行所株式会社新潮社




    秋蚕

真夜(まよ)こめて秋蚕(あきご)は繭(まゆ)をつくるらしだかすかなる音のきこゆる

時折(ときおり)に糸吐(は)かずをり薄き繭の中なる蚕(かひこ)疲れしならむ

籠(こも)る蚕(こ)のなほも光に焦(こ)がるるごと終(つひ)の糸かけぬたたずまひあり

音(おと)ややにかすかになりて繭の中のしじまは深く闇のまさらむ

夏の日に音たて桑を食み(は)みゐし蚕(こ)ら繭ごもり季節しづかに移る

      昭和四十一年

 「繭(まゆ)」をつくり始めてから完成して静寂に入ってゆくまでのお蚕の動きを、「秋蚕」題の五種一連で詠みあげた連作の御歌である。・・・




    蚕

いく眠り過ごしし春蚕(はるご)すでにして透(とほ)る白さに糸吐(は)き初(そ)めぬ

      昭和四十八年

 長い眠りを過ごしてきた春蚕が糸を吐き始めた、その透(す)き通る白い糸の、美しい糸が今、球形の真珠のようになってゆく〈輝きの瞬間〉を詠む御歌。・・・  



皇后美智子様 全御歌 ②(1)

皇后美智子様 全御歌 ①(1)









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