春の詩 中也

2015/ 03/ 09
                 
 中原中也 『雲 雀』
《日本の詩集10 中原中也詩集所収「在りし日の歌」より(昭和43年2月10日初版発行 発行所角川書店)》

 
ひねもす空で鳴りますは
ああ 電線だ、電線だ
ひねもす空で啼(な)きますは
ああ 雲の子だ、雲雀奴(ひばりめ)だ

碧(あーお)い 碧い空の中
ぐるぐるぐると 潜りこみ
ピーチクチクと啼きますは
ああ 雲の子だ、雲雀奴だ

歩いてゆくのは菜の花畑
地平の方へ、地平の方へ
歩いてゆくのはあの山この山
あーおい あーおい空の下

眠っているのは、菜の花畑に
菜の花畑に、眠っているのは
菜の花畑で風に吹かれて
眠っているのは赤ん坊だ? 



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