古典に親しむ 「徒然草」より

2015/ 07/ 09
                 


 千曲川の川べりに佇むと島崎藤村を、利根川の川岸から赤城山を望むと萩原朔太郎の詩を思い起こします。
 小諸に住んでいた時には島崎藤村を、前橋に住んでいた時には萩原朔太郎の詩を口遊みました。
 小学校入学前から小学4年の一学期まで小諸に住んでいました。小学5年の2学期の途中から前橋に住むようになりました。
 このころからいろいろな詩人たちの詩を読むようになりました。

 そんなことがきっかっけとなったのでしょうか。いわゆる文学というジャンルに興味・関心を持ち始めていったようです。
 中学生、高校性の頃は、中原中也や小林秀雄にかぶれた時代でもありました。

 
 学校の教科書に載っている、漢文や古典物も拒否反応が出ることはありませんでした。
 その中に、今でも幾つかの文章が心に残っています。
 漢文では、「朝三暮四」、「矛盾」、「呉越同舟」などの言葉の謂れとなる文章に相槌をうちながら目を通しましたが、「楊貴妃」では、その漢文の妙味に驚き入りました。今でもその時のことを思い起こされる不思議さを感じます。

 漢文で今でも強く印象に残っているところはこれからつまみぐいしながら載せていこうと思います。
 今日は、日本の古典から徒然草第11段を引き出すことにしました。

 
 「マンガ古典文学」シリーズ全10巻(小学館発行)に、「徒然草」(著者:長谷川法世.2014年1月28日初版第1刷発行)が、一巻として入っています。
 その中の、「序段」と「第11段」を引用します。
《序段》:
 つれづれなるままに、日くらし硯(すずり)にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。〈やる事もなく終日硯にむかい、心に浮かぶとりとめのない事を あれこれ書きつらねていると、あやしう物狂わしい気持ちになってしまう。〉

《第11段》:
 〈神無月のころ、来栖野(くるすの)という所を過ぎて、ある山里を尋ねた事があったが、遥かなる苔(こけ)の細道をつけて わび住まいする庵(いおり)があった。
 木の葉に埋もれた懸樋(かけひ)の雫(しずく)のほか、音立てるものもない。
 閼伽棚(あかだな:仏前に供える花や水を置く棚)に菊や紅葉など折り散らしているのか、やはり住人がいるのだ。
  こういう風に生きていけるのだなあ。〉

徒然草②

 《原文前段:神無月の頃、栗栖野(くるすの)といふ所を過ぎて、ある山里にたづね入る事侍りしに、遥(はる)かなる苔の細道をふみわけて、心細く住みなしたる庵(いほり)あり。木の葉に埋(うづ)もるる懸樋(かけひ)の雫(しずく)ならでは、つゆおとなふものなし。閼伽棚(あかだな)に菊・紅葉など折り散らしたる、さすがに住む人のあればなるべし。
 かくてもあられけるよと、あはれに見るほどに、》


〈〔柑子(こうじ):こうじみかん〕
  実をとられまいとして、厳重に囲っている・・・
  ・・・あんなものなければいいのに。〉

徒然草第11段

《原文後段:かなたの庭に大きなる柑子(かうじ)の木の、枝もたわわになりたるが、まはりをきびしく囲ひたりしこそ、少しことさめて、この木なからましかばと覚えしか。》



♪「古典に親しむ」公式サイトより、徒然草(吉田兼好著)第11段の現代語訳を転記します。
 【十月の頃、栗栖野という所を通り過ぎて、ある山里にたずね入ることがあり、はるかに続く苔むした細道を踏み分けていくと、ひっそりと人が住んでいる草庵があった。木の葉に埋もれている懸樋から落ちる水のしずくの音のほかに音を立てるものはない。閼伽棚には菊や紅葉などを折って散らし置いてあるのは、それでもやはり住む人があるからなのだろう。

こんなさびしいところでも住むことができるのかと、しみじみ思って見ているうちに、向こうの庭に、大きなみかんの木で、枝もしなうほどたわわに実がなっているのがあり、人に盗まれないように周囲を厳重に囲ってあるのは、少し興ざめがして、この木がなければどんなによかったかと思ったことだ。】



♪♪「マンガ古典文学」シリーズ 全10巻 発行所:株式会社小学館

古事記 〈壱〉〈弐〉      里中満智子

伊勢物語            黒鉄ヒロシ

方丈記             水木しげる

源氏物語 〈上〉〈中〉〈下〉  花村えい子

徒然草             長谷川法世

かげろふの日記         牧美也子

竹取物語            池田理代子 




♪♪♪小学館発行の「マンガ古典文学」シリーズの「徒然草」の巻末に、作家でエッセイストの玉村豊男氏が、「・・・人生を見つめなおすには、エッセイを書くのがいちばんよい。・・・」と書き記しています。
 「ブログ」などもその一つの表れなのかなと、このところ思ってもみたりしています。
 玉村豊男さんは、長野県東御市でレストラン(ヴィラデストガーデンファーム アンド ワイナリー)も開いていますので、信州にお越しの際、一度は立ち寄ってみることをお奨めします。



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