新カラマーゾフの兄弟 亀山郁夫 河出書房新社 2015年11月22日初版発行

2015/ 12/ 17
                 


  『文学全集』
 河出書房新社刊の「世界文学全集」グリーン版第一集は、全48巻+別巻7の合わせて55冊が、1959年から1963年にかけて発刊されました。(メモ:第二集は全25巻、第三集は全25巻)
 田舎の家の本棚にあったシリーズ本の一つです。
 姉が嫁いだときに、この世界文学全集は花嫁道具?の一つとして荷物に包(くる)まれました。
 1967年に新潮社から発刊された「日本文学全集全72巻」は、私の手元にあります(40「林芙美子」は欠本)が、漫画・コミックの類はいざ知らず、全集本はどこでも人気がイマイチのようです(例外は勿論ありますが)・・・
 発行のつど、何れも煥乎堂の書店員さんが、自転車に乗って家に届けてくれましたので、みな初版本です。1冊でも家に届けてくれるという良き時代もあったのですね。


 その「世界文学全集」の「19」が「カラマーゾフの兄弟 Ⅰ」、「20」が「カラマーゾフの兄弟 Ⅱ」で、米川正夫が訳しています。
 (同全集のドストエフスキーの著作では「18」の「罪と罰」を、一番初めに読みました。)
 米川正夫が訳した「愛蔵決定版ドストエフスキー全集」(全20巻・別巻1.1969~1971.発行河出書房新社)中では、「カラマーゾフの兄弟(上)」が巻12に、「カラマーゾフの兄弟.同創作ノート(下)」が巻13に入っています。(このシリーズは本屋に買いに行きました)


 「カラマーゾフの兄弟」は、いろいろな人が翻訳しています。
 この度、亀山郁夫著による「新カラマーゾフの兄弟 上」、「新カラマーゾフの兄弟 下」が河出書房新社」から発行の運びとなりました。
 舞台を日本に置き換えた、総ページ数1400、400字詰め換算で3300枚の超大作です。
 氏は、文藝春秋・新年特別号の「未刊の小説を引き継いで」と題して、次のように述べています。
 《「 ・・・ではなぜ、このような小説の執筆を思い立ったのか? 動機は何だったのか?  
 端的に言って、分不相応の野心である。ドストエフスキーの原作『カラマーゾフの兄弟』(※)を訳し終えた時点で、私は一種の憑依状態にあり、それを千載一遇のチャンスと感じていた。だからこそ、最終巻の刊行からわずかひと月で、「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する」と題する、かなり特異な新書を書きあげることができたのだ。
 ご存知の方も少なくないと思うが、ドストエフスキーの原作は、未刊である。作家は、現に私たちが読むことのできる「第一の小説」を書き終えるとまもなく他界してしまい、それがために、続編すなわち「第二の小説」の内容の憶測が飛び交うことになった。・・・
 ・・・
 私自身、初めは、19世紀ロシアを舞台にした続編を漠然と空想していた。だが、高野史緒と三田誠広の二人の作家が、やはりロシアを舞台にした「続編」に挑戦するのを見て、方針を改めた。舞台を、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が起こる1995年の日本に移し変えたのである。ドストエフスキーが生きて原作を書き上げた1870年代終わりとこの時期の日本の時代相の酷似は疑いの余地がなかった。・・・
 ・・・ 》

 ちょっと長々としすぎたようですね。
 ここまでお付き合いして下さった方は、最後までお目通しくださいな。
 ロシア文学者で、東京外語大学長を経て現名古屋外国語大学長の亀山郁夫氏は、週刊新潮の12月17日号の「私の週間食卓日記:連載903回」の7日目の11月21日(土)の最後のところで、かくつぶやいています。
 《 ・・・ 明日は、ソフトバンク優勝パレード、大相撲千秋楽で福岡は大賑わいになるらしい。ブックオカ主催のドストエフスキー講演会に、人は来るのか? ホテルへの帰路、『新カラマーゾフの兄弟』の売り上げが気になり、スマホでアマゾンのランキングをのぞく。》


ドストエフスキーの原作『カラマーゾフの兄弟』(※)を訳し終えた:
亀山郁夫訳「カラマーゾフの兄弟・全5巻」:光文社古典新訳文庫
(1=2006年9月.2=2006年11月.3=2007年2月.4・5=2007年7月)


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