羊のうた

2016/ 04/ 26
                 
 二階の八畳間に置いてある段ボール箱の一つから、『西條八十童謡全集』が顔をのぞかせていました。
 外函から本をとりだし、パラパラとページをめくった途端に、懐かしい人の絵が目に飛び込んできました。
 谷内六郎の口絵でした。カット、装幀も彼が手がけています。

西條八十①谷内六郎装幀

 
〈付録〉もついていました。
 10氏が全集発刊に言葉をよせています。
 
 永遠の童謡 ・・・・・・  西脇順三郎 (英文学者・詩人)
 先生の童謡とボク ・・・  サトウ八ロー (詩人)
 國民詩人、西條八十 ・・  古賀政男 (作曲家)
 四十三年前の西條先生 ・  田中冬二 (詩人)
 「かなりや」の巣 ・・・  野田宇太郎 (詩人)
 八十童謡との出会い ・・  小林純一 (作家)
 年少時代の心の支えに ・  中澤巠夫 (作家)
 東洋のゲーテ・西條先生 ・ 安西愛子 (声楽家)
 懐かしい西條先生 ・・・・ 香川京子 (女優)
 装画・口絵を引き受けて ・ 谷内六郎 (画家)


西條八十②谷内六郎口絵その1


 
Ⅰ〈童謡集「鸚鵡と時計」〉・・・59作品
西條八十⑧谷内六郎その1


 Ⅱ〈「西條八十童謡全集」〉・・・62作品
西條八十⑧谷内六郎その2


 Ⅲ「未刊童謡集〉・・・149作品
西條八十⑨谷内六郎カットその3




    羊のうた   西條八十

 牧場(まきば)の、牧場の、春の日に
 羊が一ぴき逃げました
 わたしの可愛いい大好きな
 羊が一ぴき逃げました

 どこからどこまで探しても羊は見えない、わからない
 わたしは悲しく、くたびれて
 母さんのところへ行(ゆ)きました
 
 母さんは頭を撫(な)でながら
 やさしくわたしにいいました
 「泣いてはいけないあれご覧
 おまえの羊はあの山に」

 暮れゆく春の山のうえ
 白く浮かんだ雲ひとつ――
 「羊は山が恋しくて
 お山の雲になりました」


 『西條八十童謡全集』より:
 Ⅲ〈未刊行童謡集〉「羊のうた」



関連記事
スポンサーサイト
                 

コメント