日傘

2016/ 07/ 31
                 


~ あなたはそんなにパラソルを振る 
  僕にはあんまり眩しいのです 
  あなたはそんなにパラソルを振る ~


さよなら、さよなら!
 いろいろお世話になりました
 いろいろお世話になりました

さよなら、さよなら!
 こんなに良いお天気の日に
 お別れしてゆくのかと思ふとほんとに辛(つら)い
 こんなに良いお天気の日に

さよなら、さよなら!
 僕、午睡(ひるね)の夢から覚(さ)めてみると
 みなさん家を空(あ)けておいでだつた
 あの時を思ひ出します

さよなら、さよなら!
 そして明日(あした)の今頃は
 長の年月見馴(みな)れてる
 故郷の土をば見てゐるのです

さよなら、さよなら!
 あなたはそんなにパラソルを振る
 僕にはあんまり眩(まぶ)しいのです
 あなたはそんなにパラソルを振る

さよなら、さよなら!
さよなら、さよなら!
           》

〈中原中也詩「別離・1」より.日本詩人全集 22 中原中也 新潮社刊:所収〉


日傘②


「日傘 : ひがさ. ひからかさ. 絵日傘. パラソル.」
《 夏日を避けるため専ら女子が用いる。絵日傘は日本在来の、骨も柄も竹製で紙や絹を張った絵や模様のある美しいもの。パラソルは洋日傘で、ビニール張りの色とりどりのものも出ている。(昭和49年4月30日初版発行 平成4年11月30日 34刷発行 合本 俳句歳時記  発行所株式会社角川書店)》

日傘③

  
待ち合はす人に日傘を振りにけり  姉歯義ひろ


さす日傘かたむけ友に陰分かつ  土井木賊


遠会釈日傘の人の名を忘れ  西野和子

日傘①



《日傘文化、日本だけ? 驚く訪日女性客…欧米などは帽子や日焼け止め:産経新聞 7月30日(土)14時31分配信》

 日差しの強い日が続き、若者から年配の女性まで愛用している日傘。だが、大阪ミナミで、アジア、欧米など9カ国の訪日外国人女性に聞くと、「使わない」と答え、ほとんどが一度も使用経験がなかった。大手空調メーカーの外国人へのアンケートでも、驚いたり感心したりした日本の暑さ対策は「日傘をさす」が最多。世界で日本の日傘文化は“特異”なのだろうか。(張英壽)

 「日傘は真夏でもしないですね。どんなにカンカン照りでも…。おばさんが使うもの」

 韓国・ソウルから訪れた女子大学生、閔智援(ミンジウォン)さん(21)はこう答えた。

 訪日外国人でにぎわう道頓堀周辺(大阪市中央区)で、各国の女性たちに日傘をさすかどうか質問した。

 道頓堀のベンチに座っていた中国・上海市の女性(26)も一度も使ったことがなかった。「傘は雨のときだけ」

 ドラッグストアで働いていた中国・四川省出身の陳子●さん(24)も日傘経験はなく、中国での日傘事情について、「日傘をさすのは30代以上」と流暢(りゅうちょう)な日本語で教えてくれた。

 オーストラリアの女性医師(24)は、使ったことがあるかと問うと「ネバー(一度もない)」と答え、日傘をさす習慣について「おかしい」と話した。米国の45歳と50歳の女性も使用経験がなかった。ただ日焼け止めクリームを塗るという回答は多かった。

 タイ・チェンマイから来たホテルオーナーの女性(33)も日傘経験がなく、「白い肌になりたいのはタイでも同じだけど、日本の日傘習慣はちょっと変」と感想を述べた。

 イタリアからハネムーンで来日し、夫と道頓堀を散策していたジャーナリストのモニカ・タリコーネさん(27)は「イタリアでは使わない。みなバケーション(休暇)に行き、白い肌は健康的ではない」。

 日本でも、バブル時代やその前は日焼けが流行。「20代前半の頃、日焼けするのが格好よかった」と振り返った堺市南区の会社員の女性(47)。だが「今はシミがたくさんできて後悔している。10年ほど前から日傘を持つようになった」と打ち明けた。

 空調メーカーのダイキン工業は一昨年、東京在住の外国人100人を対象に「東京の夏の暑さ」をテーマにしたアンケートを実施。「東京の夏の暑さ対策で、感心した・驚いた対策はあるか」と聞いたところ、1位は「日傘をさす」(46%)だった。

 日傘をさす習慣は日本だけなのだろうか。

 洋傘・日傘メーカー大手の「ムーンバット」(本社・京都市)で、長年製品を開発してきた大原孝二さん(70)は「ヨーロッパでは紫外線を遮ることにそれほど関心がない。また紫外線が強いオーストラリアでは帽子が主体。中国や東南アジアでは、日傘という概念自体がなく、日差しが強いときは、雨傘を日傘として使うことがある」と話す。ただし中国の大都市では最近、日傘が販売されるようになったという。

 大原さんによると、日傘はもともと19世紀のフランスで文化として花開いた。フランスの印象派の画家、クロード・モネも、日傘の女性を描いている。現代のヨーロッパではなぜかその習慣が廃れ、日本で定着している。

 日本では和服とともに日傘は愛用されたが、若い女性に人気がなかった。変化が起きたのは、二十数年前にUV(紫外線)用の加工がされた日傘が市場に出てからだ。それまでUVカット率は50%程度だったが、UV加工の日傘は80~90%台のカットが可能になった。若い女性もさすようになり、若者から年配まで日傘をさす習慣が広がった。

 大原さんの説明では、日傘をさす習慣は日本独特ということになる。大原さんは「日傘文化は日本しかない」と断言した。

●=木へんに貞



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