さくらねこ 不妊手術 

2016/ 12/ 13
                 
 <猫ブーム>不妊手術は本当にかわいそうなのか

毎日新聞 12/3(土) 9:30配信

 捨て猫は大量に繁殖して、悲惨な死に方をします。この不幸の連鎖を止めるには不妊手術しかないのが実情ですが、「かわいそうだ」と二の足を踏む人も多いのです。だが、そういう人ほど、不妊手術がどんなものなのか、知らないのではないでしょうか。猫の保護活動を続けるジャーナリストが不妊手術の現場を報告します。

【動物愛護施設に引き取られた猫たち】

 ◇新潟市で野良猫の一斉不妊手術

 国内のあちこちに出かけ、野良猫の一斉不妊手術を無料で行っている団体がある。公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)だ。

 どうぶつ基金は、11月24、25日の2日間、新潟市で一斉不妊手術を行い、計59匹を手術した。今回の対象は、新潟市の東のはずれ、新潟東港釣り公園に住む猫たちだ。県の指定を受けている釣り場管理団体「ハッピーフィッシング」と、新潟の動物保護団体「あにまるガード」が、同基金に依頼して一斉手術が実現した。

 11月25日。一斉手術の2日目に現場を訪れた。新潟市南西部の山すそにある、「あにまるガード」の活動拠点の小屋で手術が行われた。新潟東港の公園で捕獲された猫が、ケージや捕獲器に入れられ、車で次々と運ばれてきた。そのほとんどが子猫だった。

 手術にあたるどうぶつ基金の獣医師は2人、それにあにまるガードのスタッフら数人が補助を行う。猫の不妊手術が可能になる目安は、生後半年以降か体重2キロ超とされる。ただ、医師の腕次第では、もっと早くても大丈夫だ。

 ◇捕獲器の外から麻酔を注射

 まずはケージや捕獲器の外から、体格に応じた量の麻酔薬を数回に分けて注射していく。逃げられたりかまれたりしないようにするためだ。完全に麻酔が効いたら外に出す。

 次に不妊手術の証しである耳カットを行う。地域や団体、医師によって先端を平らに切ったり、オスは右耳、メスは左耳の先を切ったりするなどの違いがある。どうぶつ基金の場合は性別を問わず右耳の先端をV字にカットする。その耳の形から、手術後の猫を「さくらねこ」と呼ぶ。

 切った後ははんだごてを使って傷口を消毒。合わせて手術を行う下腹の部分の周囲の毛を、バリカンで注意深くそる。

 手術の日は、朝から食事させないのが通例だ。全身に麻酔が効くと嘔吐(おうと)することが多く、胃に固形物が残っていると逆流してのどに詰まり、死んでしまいかねないからだ。一斉手術の場合は野良猫なので、そうした管理も難しく、ときには糞尿(ふんにょう)を漏らしている猫もいる。その場合は、腹をマッサージしてすべて排出させる。

 いよいよ手術台に向かう。オスの場合はカミソリで睾丸の間に切れ込みを入れ、精巣ふたつを取り出して切除。メスは下腹部に消毒液を塗り、スプーン状の器具で子宮と卵巣を注意深くかき出して切り離す。傷口に薬を注入し、溶ける糸で縫合する。オスは数分、メスは10分もあれば手術が完了する。

 ◇漁師にも見守られる猫たち

 不妊手術が終わると、一晩静養させた後、もとの港に放される。これから冬本番の新潟で、猫は大丈夫なのかとも思う。だが、あにまるガードの本多明代表によると、港の近くに液化天然ガス(LNG)施設があって身を隠すところがあり、冬場でも生きていけるという。漁師たちも売りものにならない魚を分け、猫たちを常に見守っているという。

 次々に猫が手術を受けるそばで、県動物愛護センター主査の獣医師が手術の様子を熱心に動画撮影していた。名刺の裏には「新潟県動物愛護センターは毎日が譲渡会! たくさんの犬や猫が新しい飼い主を待っています」との文字と、猫の写真が印刷されていた。

 センターは、保護している動物の情報をインターネットで詳細に見られるようにしている。その情報に携帯電話ですぐアクセスできるよう、名刺の表にQRコード(二次元バーコード)が。ここまでの情報が記載された名刺は初めて見た。「新潟県は動物の愛護意識が高いですよ」との言葉に納得する。

 どうぶつ基金は全国で出張不妊手術を行っている。NHKの「クローズアップ現代+」で11月半ば、大量繁殖した猫が飼い主の手に負えなくなる「多頭飼育崩壊」が取り上げられた。その番組でも、この団体が80匹の不妊手術をした例が紹介された。






弁護士ドットコム 12/4(日) 9:37配信

あさイチ「毒餌で野良猫駆除した人に同情」発言が物議...どんな法的問題がある?

11月24日に放送されたNHK朝の情報番組「あさイチ」で、猫の糞尿被害に悩まされた視聴者から「毒餌をやった人に同情します」というFAXが寄せられたことが、インターネット上で話題になった。

番組ではこの日、千葉県浦安市における、飼い主がいない「地域猫」を管理する活動について紹介。地域猫の避妊去勢手術などを行う活動員の女性が、飼い猫が脱走した際、仕掛けられた毒入りのエサを食べて死んでしまったエピソードを語った。すると番組に、猫の糞尿被害に悩まされたという視聴者から「毎日糞の始末をし、気が狂いそうでした」「毒餌をやった人に同情します」というFAXが届き、番組内で紹介された。

ネット上では「迷惑でも毒エサ仕掛けるなんて犯罪だ!」といった反応が見られた。野良猫を撃退するために毒餌を仕掛けることは法的にどのような問題があるのか。弁護士に聞いた。

●愛護動物を「みだりに」殺傷すると処罰の対象に

「飼い主がいない猫でも、みだりに殺傷すると、動物愛護管理法の動物殺傷罪に該当し、2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます(同法第44条1項)。ただし処罰の対象となるのは、『みだりに』殺傷した場合だけです。

ここでいう『みだりに』とは、合理的な理由なくという意味です。野良猫が糞尿被害を与えている場合に毒餌で殺処分することは、動物に対する生命尊重という同法の目的(同法1条)、他の方法を取り得ることを考えれば、合理的な理由があるとは言えないでしょう」

弁護士はこのように指摘する。

「この処罰の保護の対象になるのは、生き物の中でも愛護動物に限られます。愛護動物は、牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひるの11種類の動物と、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものに限られます。

人と結びつきの深い家畜など、猫を含む11種類の動物については、飼い主がいない野生の動物である場合を含めて保護の対象になっています。当然、野良猫であっても愛護動物に含まれることになります。

害虫や飼い主のいないネズミは、愛護動物には含まれませんので、駆除しても違法とはなりません。もっとも、ネズミであっても人が占有している場合には愛護動物となり、保護の対象となります」

飼育されている猫が毒餌を食べて死亡した場合、毒餌を仕掛けた人は、飼い主に対して慰謝料の支払などの責任を負うのだろうか。

「飼育されている猫が室外に出て毒餌を食べることは、通常予測できますから、毒餌を仕掛けた人は、不法行為責任(民法第709条)として慰謝料などの損害賠償を支払う責任を負うことになります」

糞尿被害などに悩まされた場合に、法律に抵触しない対処法として、何が考えられるのだろうか。

「無責任な餌やりに伴う糞尿被害は、深刻な問題に発展します。ところが、この問題を簡単に解決することは難しいと言えそうです。

基本的には、餌やりしている人との話し合いでの解決が望ましいのですが、関係がこじれてしまうと先に進みません。動物愛護センターなどの行政機関に苦情を申し出ても、強制的に餌やりをやめさせるようなことはできない場合が多く、抜本的な解決にならないようです。

京都市や和歌山県には、無責任な猫への餌やりを禁止する条例も存在しますので、地方議員に働きかけて条例を制定してもらうという方法も考えられます。裁判所に、餌やり禁止の仮処分を求めるというやり方もあるでしょう。

無責任な餌やりに関しては、餌やりをしている人に対し数十万円の損害賠償を命じた裁判例があります(平成15年6月11日神戸地方裁判所判決)。また、餌やり自体を禁止した裁判例もあります(平成22年5月13日東京地方裁判所立川支部判決)ので、弁護士などに依頼して裁判を提起することも考えられます」

弁護士ドットコムニュース編集部





関連記事
スポンサーサイト
                 

コメント