季節の風物詩 焼き芋屋の声

2016/ 12/ 27
                 
 県庁所在地の繁華街からちょっと離れた路地では、寒くなり始めた頃からも、様々な声が行き交いしていました。
 秋も遅くなったころから聞こえ始める、おでんやうどんを商う音色です。昼間リヤカーを改造した屋台を人力で引っ張ってくるのがおでん屋でした。お昼前や夕方自転車に乗って屋台で売りにくるのがうどん屋でした。
 チャリン、チャリン、チャリンと響く鐘を鳴らしてくるのがうどん屋で、もう少し響く音が小さくチリン、チリンと聞こえる鈴の音がおでん屋でした。
 木枯らしが吹き始め、冬の訪れが肌に感じる頃には、シナソバ屋のチャルメラの音が夜のしじまをぬって聞こえてきます。

 思い出は尽きることがありません。
 焼き芋屋の声は全国津々浦々、どこでも聞えていた時代もあったのではないでしょうか。
 あなたの街の路地々には、どんな季節の風物詩模様が織りなしていましたか。

 
 昨年まではこのあたりの路地にも、時折焼き芋屋の声が聞こえていたのですが、この冬はまだ耳にしていません。



 杉浦日向子著の、「一日江戸人」の中の「江戸の屋台」の文中に次の件(くだり)があります。
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 江戸の街には、あらゆる種類の行商人が路上を行き来しています。幕末に来日した外国人は「一歩も戸外に出ることなく、いっさいの買物の用を足すことができる」と、江戸の町の便利さを言っています。これらの行商のうち、飲食物に関しては、終夜、行われていました。
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 今でも、夜中に仕事をしていると、チャルメラが聞えてくることがあります。屋台の食べ物は、なにかしら郷愁があって、さほど空腹でなくとも食べたいような誘惑にかられます。
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