ヤマブキの花  詩歌 俳句

2018/ 03/ 30
                 
 おもかげ草、かがみ草、晩春の季語。

 山吹色は、山吹の色を由来としていることは日本人ならどなたもご存知です。


 遠目にも山吹の黄の一重なり  立子

 山吹の黄の一枝に春送る  小澤碧童


 山吹は大和国原固有の植物として古くから詩歌に多くうたわれています。


 七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞ悲しき (〈※〉)


 世に知られた山吹を詠んだ歌です。
 「太田道灌(おおたどうかん)」を、広辞苑第七版(岩波書店)で引いたところ、〈太田道灌:室町中期の武将・歌人。・・・ 江戸城を築くなど築城・兵法に長じ、学問・文事を好んだ。定正に謀殺された。(1432-1488)〉とありました。
 これでは埒があきません。日本史大事典(平凡社)の項を参照することとしました
 
 〈 ・・・道灌が鷹狩に出て雨に遭い、蓑を借りようとしたとき、若い女に山吹を差し出され、それが『七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ悲しき』という古歌(『後拾遺集』雑)の意だと後で知り、無学を恥じたという逸話は『常山紀談』や『雨中問答』(西村遠里著、一七七八)等に記されて・・・ 〉(〈※〉)


 その後の二人はどうなったのでしょう。俳句に詠んでいます。


ふと思ふ山吹のことその後のこと  岡本眸


 山吹も、殊の外多くの人に詠まれている俳句となっています。


しばらくは山吹にさす入日かな  渋沢渋亭

山吹に奥へ奥へと父の背  下田稔

山吹に夢の又夢求めゆく  和田悟朗

山吹のもつれとけたる風ありぬ  山口青邨



 我が家の庭には、山吹色のヤマブキと白色のヤマブキの花が咲きます。
 このところ暖かい日が続いていますが、山吹色のは蔭っているところに植わっているせいでしょう、葉が出始めたところでした。
 白色の花のヤマブキ、庭の片隅でいつのまにか咲いていました。


かなしさよ白山吹と人はいふ  山口青邨

繁る葉に白山吹の楚楚と咲く  山中明石

ひそと咲く白山吹は日の陰に  岩本和行

山吹の白には昔語りなし  後藤夜半


 1 ヤマブキ

 2 ヤマブキ


 

(〈※〉注記:
◇ 犬養廉[ほか]『後拾遺和歌集新釈 下巻』(笠間書院)
 「ななへやへはなはさけども山ぶきのみのひとつだになきぞあやしき」
 〔作者:兼明親王〕
 ~底本については《凡例》に次の記載があります。
「本書は宮内庁書陵部蔵『後拾遺和歌抄』(四〇五-八七)を底本として全釈を試みたものである」~

◇ 藤原通俊撰『後拾遺和歌集』(和泉書院)
 「ななへやへはなはさけども山ぶきのみのひとつだになきぞあやしき」
 〔作者:中務卿兼明親王〕

◇ 和歌「七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ悲しき」と太田道灌について
 ⇒ 湯浅常山『定本常山紀談 上』(新人物往来社)
  文中の「太田持資歌道に志す事」に記載されています。)




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コメント

        

我が家にも妻が植えた白の山吹が、白いサンザンカの生け垣に混じって咲いてきます。

山吹は亡き妻が、サザンカは僕が植えました。

通りを通る人の中には気が付いて言葉を掛けてくれる人が居ますが、妻が褒められているようで嬉しい気分です。山吹は普通黄色ですからね。

大事にして枯れないようにしないといけないです。
Re: タイトルなし
> 我が家にも妻が植えた白の山吹が、白いサンザンカの生け垣に混じって咲いてきます。
>
> 山吹は亡き妻が、サザンカは僕が植えました。
>
> 通りを通る人の中には気が付いて言葉を掛けてくれる人が居ますが、妻が褒められているようで嬉しい気分です。山吹は普通黄色ですからね。
>
> 大事にして枯れないようにしないといけないです。


白い花」

nobotyan さん
こんにちは。
白い花のサザンカは、まだみたことがありません。
わが家の庭に咲く白い花は、ヤマブキのほかに、ツバキ、コデマリ、キウイフルーツ、フェイジョアです。
 私もゴルフが趣味の一つとなっています。そして厨房に入るのを楽しんでいます。そしてあちこち出かけるときはカメラを持っていくように心がけています。