はじめに

2014/ 06/ 03
                 
 駆け出し時代も入れるとジャーナリストとしての仕事は、四十年になりました。発表するメディアや場所は少しずつ変わっていますが、私は相変わらずこの仕事が好きです。

 常に挑戦を強いられている緊張感があります。
 緊張感にひるみながらも、撥ねかえして進もうとする努力の味が好きです。
 そして時々、確認したくなります。自分の胸の内に、静かな闘志の炎は残っているか、と。

 何を相手に、何のために闘うのか。それをひと言で言うのは容易ではありません。あえて大上段に振りかぶっていえば、自分が信ずるもののために闘うのです。
 でも自分が信じることや価値観がいつも正しいと誰が言えるでしょうか。
 だからこそ、自分に言い聞かせます。他者のものの見方や立場に思いを致すように、と。
 独りよがりにならないようにと、常に自分をもう一人の自分が見ています。チェックしています。
 決して楽な気分ではありません。けれど、私はこの挑戦が好きです。好きだから楽しめます。

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 ジャーナリストにとっては、本来、発表する結果がすべてです。そこが勝負の場です。ですから、自分自身のことを語ってどれほどの意味があるのか、自信がありません。
 
 でも私はいま、面映(おもはゆ)さを感じながらも、自分の歩んできた道を振り返ろうとしています。
 仕事はもちろん、家族のこと、日々の生活のこと、時間やお金のこと、健康であることの大切さ、「生と死」などを含めて、多岐にわたります。
 
 どんな話の展開になるのか、自分にもわからない部分がありますが、お付き合い下さい。私の歩みに、少しでもヒントになれば、こんなに嬉しいことはありません。



『迷わない。 -はじめに-』 桜井よしこ 文春新書 943













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