FC2ブログ
        

洋酒マメ天国 酒の立見席-2 15

2012/ 08/ 07
                 
洋酒マメ天国 酒の立見席-2 15

☆戸板康二さんの筆の運び、生き生きしています。今までは巻ごとに1回取り上げていたのですが、№15は、幾つかピックアップしてお披露目したいと思います。

今まで何気なく[乾杯]していたのですが、あらためて噛み砕いて文章を見ると、なるほど。と、思い直します。

第4章 楽しき乾杯 (新劇の酒)
乾杯
 同じ酒を同時に飲むマナーが親愛の情をあらわうものであるゆえに、乾杯ということが、おこなわれる。多人数の宴席でも、最初の一杯は、全部につぎおわるのを待ち、盃をかかげて、みんなで同時に飲むわけである。
 中国に旅行すると、カンペイカンペイで、たちまち酔ってしまう。向こうでは、ぐっと杯を飲み干して相手に底を見せるという習慣があるのを知った。
 チェリオ、プロジットネコールなど、乾杯の挨拶もいろいろ国によって違うが、日本では明治の中期に、鹿鳴館が出来たころから、この乾杯のしきたりが輸入されたと考えていい。夜会のダンスとともに、シャンパンの杯を持つ手つきをも、貴顕紳士は練習したのであろう。
 三島由紀夫作「鹿鳴館」の大詰では、天長節(11月3日)を祝う影山男爵の夜会に、明治の乾杯の姿を演じてみせる。
❀P116、P117写真:「鹿鳴館」朝子=村松英子、影山=中村伸郎 

洋酒マメ天国第15巻    発行所サントリー株式会社
著者 戸板 康二      昭和43年1月30日発行

洋酒マメ天国酒の立見席15
❀カバー:柳原良平
                 
        

洋酒マメ天国 酒の立見席 15

2012/ 08/ 07
                 
今でもデパートの屋上でビヤガーデンをやっているところは、全国でみると夏に限ってではありますが、あちらこちらでまだやっているようですが。
今年の夏で終了。唯一東京のデパート屋上で夏の夜だけやっていたビヤガーデン。とうとう幕引きとなりました。
 若い私たちが懐事情を気にせずに「乾杯」出来たデパートの屋上は、学生やサラリーマンの典型的な飲み会スポットの一つでもありました。
飲めないお酒もなんのその、仲間と一緒にあちこち出かけたあの当時。新宿のゴールデン街はさ迷い歩きませんでしたが、ションベン横丁には顔出ししたことがあったかな。東京の夜。呑兵衛の皆に比べるとおつきあいの回数は少なかったですが、良き時代の思い出です。

洋酒マメ天国 酒の立見席 15
第4章 楽しき乾杯(新劇の酒)より
ジョッキ 
 マイアー・フェルスターの「アルト・ハイデルベルヒ」は、文芸協会が大正の初年に「思い出」として上演、松井須磨子が主人公を演じた。以後、築地小劇場では山本安英、築地座では田村秋子、近年日生劇場では梓みちよが、ドイツの古都の大学生のあこがれの対象であるケティを演じている。ケティはハイデルベルヒのリューダーの宿に働いている娘である。カルスブルクの公子が留学に来てケティを愛したが、身分のちがいが致命的な理由で、その恋はついにみのらない。
 ケティが運んで来るビールを大学生たちが飲み、大合唱に移るシーンは、いつも青春のたのしさをふりかえらせてくれる。
 舞台には陶器の蓋つきのジョッキが置かれる。ジョッキは、現実にビールの容器としても、小道具としても申し分のないムードを持っているようだ。
❀補足:ケティ役を梓みちよが演じた時の公子役は、北大路欣也。

洋酒マメ天国第12巻    発行所サントリー株式会社
著者 戸板 康二      昭和43年1月30日発行

洋酒マメ天国 酒の立見席 15
❀カバー:柳原良平