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佐々木閑(ささきしずか)氏の、『般若心経』と『ブッダ 真理のことば』

2016/ 04/ 09
                 
 ◇唐突ですが、NHKテレビテキスト『100分de名著 ブッダ 真理のことば』、2011年9月28日のコラムを、先ずはお目通しください。

《ユリナ ノ 目 「真理のことば」をふりかえって。
連載第五回目となりました!「ユリナ ノ 目」です。

今月は、ブッダの『真理のことば』を読み解いていきましたが、いかがでしたでしょうか?

⑥花のオアシス チューリップ

収録中、「欲」や「執着」などの話題の流れで
「やっぱり食欲には勝てない!」「おいしいものにはつい執着してしまいます」
と、私が食べ物の話ばかりしていたら、
現場ですっかり“食いしん坊キャラ”になってしまい
最近は、温かい心遣いをしてくださるスタッフさんが、収録の時においしいお菓子を差し入れてくださったりします‥。
とても嬉しくて、収録の合間の私の密かな楽しみになっているのですが、ちょっと恥ずかしくもあります(笑)

⑦花のオアシス チューリップ

食に対する執着を始めとして、人には沢山の欲や執着があると思いますが、
ブッダはその「執着」を捨てるように説いています。

このブッダの教えに対して
執着は必ずしも悪いモノなのか?
その執着心が何かしらの向上心にも結びついたりするのでは?
というハテナが頭に浮かびました。

⑭ チューリップ 花のオアシス

それを佐々木先生にうかがうと、
「『真理のことば』は心の病院なんです」というお答えをいただきました。

心の病院。つまり、この本の言葉は心に苦しみや悩みを抱える人を対象としたものであるということ。
ですから、「執着を捨てよ」というのは、執着によって苦悩する人々に対する言葉であって、執着心が向上心などプラスの流れを生み出している人はそのままでいいのだそうです。

『真理のことば』は、苦しんでいる人を受け入れてくれる場所。そうでない人は来る必要のない場所なのです。

さらに、「苦悩を抱えて一度ブッダの教えに従った人でも、必要がなくなれば、自分の教えを捨ててよい」ともブッダは言っているそうです。

まるで「悩んだら気軽に私の教えを利用してね」と言うかのような優しさを感じますね。

⑦花のオアシス チューリップ

ブッダの“心の病院”———
私は、この“病院”はいわば“心の自己治癒力”を養う場所なのだと感じました。

ブッダの考えの根本は「自灯明・法灯明」

つまり「他の誰も自分を救ってくれない。だからブッダの法で道を照らし出し、自分の目で世の中を正しく見て、自分で自分を救うしかない」という考え方ですから、自分の力で立ち上がる“自己治癒力”を育てるよう、ブッダは促しているように思えます。

自分で考えて、その場で一番大切だと思うものを選びとる。
だから、必要がないと自分で判断したならば、ブッダの教えでさえ捨ててもよいのだとブッダは説いたのでしょう。
なんて合理的な考え方でしょうか。そして、なんて優しくて厳しい教えでしょうか。

⑩花のオアシス チューリップ

本当に必要なものを見極める目は、物も情報も溢れている時代である現代には
特に必要とされていると思います。

⑫花のオアシス チューリップ

また3月11日の大震災以降、私たちが見つめ直さざるを得ないと
実感したことだとも思います。

私もそんな目を育てて、もっとシンプルな幸せに近づいていきたいと、この頃つくづく感じています。

⑪花のオアシス チューリップ

まずは、お菓子への執着を捨てるところからでしょうか(笑)》

①花のオアシス チューリップ


 ◇佐々木閑氏の、『般若心経』と『ブッダ 真理のことば』

 般若心経、音読して、その都度、九節ごとに暗記しましたが、また忘れを繰り返しています。
 気長に全文暗記に取り組んでいるところです。
 というようなことはさておきまして・・・

②花のオアシス チューリップ


 『般若心経』の真の姿を知らねばならないという信念で、このテキスト(NHKテレビテキスト 100分 de 名著『般若心経』)を書きました。という、佐々木閑氏。

 《「釈迦の時代の教えを否定することによって、釈迦を超えようとしている経典」が、『般若心経」であると、そしてなお、・・・私が言いたいのは「『般若心経』は、釈迦自身の教えとは違う別の道をわれわれに教えている」という事実です、『般若心経』には『般若心経』独自の価値がある、ということを申し上げたいのです。》

と、佐々木氏は言葉を続けています。

③花のオアシス チューリップ


 そもそも釈迦の教えとは何ぞや。氏の『般若心経』を紐解く前に、手元にある幾冊かの本を改めて手に取ってみました。
 一つは『禅仏教 根源的人間』(上田閑照著 筑摩総合大学全100巻シリーズ 昭和48年9月10日 初版発行)、一つは『「正法眼蔵」を読む」(秋月龍珉著 発行所PHP研究所 昭和57年12月10日第二刷)。

  前者は、著者の言うところの大乗仏教の問う、超越と人間、自然と人間、人間と人間の関わり合い、現代世界における実存の問題への禅へのかかわり方を著したものであり、後者は正法眼蔵の原点を読むための基本的な禅語を理解する、あえていうなら、「現代を生きる禅」を説き、「新大乗仏教」を提唱するための自由な解説であり拈弄(ねんろう)であると、筆者は述べています。
※拈弄:禅家独特の観賞批判で、一種の言語のスポーツともいうべき、禅文学独自のレトリック。(広辞苑、大辞林にも載っていませんでした)

 この2冊ともに「般若心経」については書かれていますが、何れも、釈迦自身の教えというものを解説したものではありませんでした。

④花のオアシス チューリップ

 
 やはり釈迦の教えというものを学んでから、般若心経を読み直したいと思い直したところ、ありました。NHKテレビテキスト 100分 de 名著『ブッダ 真理のことば』)です。これも、佐々木閑氏が著したものであることが判りました。

⑤花のオアシス チューリップ