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皇后陛下御歌集 瀬音(せおと) わが君の

2019/ 04/ 30
                 


 わが君のみ車にそふ秋川の瀬音(せおと)を清(きよ)みともなはれゆく

     昭和五十六年 歌会始御題 音



 瀬音(せおと)
 皇后陛下御歌集『瀬音(せおと)』(平成23年6月30日新装版第三刷発行.発行所株式会社大東出版社)


  1 -1 天皇陛下・皇后陛下  切り絵赤・表正面 正


《 秋川の瀬音のあまりの清らかさから、わが君のみ車もその流れに沿って進むと共に、ご一緒に君と瀬音とに伴われてゆかれる御歌
 清らかな水の風情は、古来『万葉集』でも「朝床(あさとこ)に聞けば遥けし射水(いみづ)川朝漕ぎしつつ唱(うた)ふ舟人」のようにその水音に、『枕草子』では「月のいと明かき夜、川をわたれば、・・・・・・水晶(すいしやう)などのわれたるやうに、水の散りたるこそをかしけれ」(二〇八 月のいと明かき夜)のように透明さや、月に輝く水晶にも見まごう水滴の美しさとして人人の心を魅了してきた。
 清澄な瀬音に伴ってゆかれるみ車に、いつもどのような祈りも今上帝に添われていらっしゃる后宮様が面影となって参る大切な一首である。『皇后美智子さま 全御歌』2014年10月20日発行.釈秦澄美枝.発行所株式会社新潮社.》