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遠藤周作 影に対して 読みました! 三田文學 夏季号 2020

2020/ 07/ 14
                 

 母の影思い起こすか今にして

 影に対して 遠藤周作.


 三田文学会〈差出発送代行佐川急便〉より、ゆうメールで、「三田文學 夏季号 2020」(2020年8月1日発行)が届いたのが、2020年7月13日の月曜日でした。
 早速、遠藤周作の未発表作品『影に対して』のページをめくりました。原稿用紙104枚の小説ですので、あっという間に読み通すこととなりました。

 三田文學 夏季号 表紙.


 彼をして宗教を排除して母を語ることについて、その生い立ちを覗き見るに、父への長い間の心の葛藤という深い闇が影を落として語るという小説であるがゆえに、さもありなんとぞ思うに至りました。
 遠藤周作の両親の離別は、彼が10歳の時で、その4年後に離婚届けが出され、そしてその3か月後に16歳年下の女性と父親(40歳)との婚姻届けが出されています。〈引用:加藤宗哉氏〉
 多感な14歳と義母の年齢差は僅か10歳。

 小説『影に対して』の影は、主人公勝呂の母親に対するエディプスコンプレックスの概念から遠心分離された、ドストエフスキー文学に刻まれた教唆のモチーフ、謎の「父殺し」という原罪にまでをなぞった習作であったというのは、ひとつ穿ちすぎでありましょうか。

 原罪までに辿り着くと、そこには宗教というものは避けて通れなくなります。
 例え作家自身が表層意識で意図していなかったとしても、あながち、遠藤文学のキリスト教小説の萌芽を想起させてもおかしくない初期作品と言えなくもないのかも知れません。
 

 ちなみに『影に対して』は、町田に転居した1963年3月以降〈引用:川﨑友里子氏〉の作品と思われますが、『沈黙』は1966年、『死海のほとり』と『イエスの生涯』は1973年、そして『深い河』は1993年に発行されています。


 今回、『影に対して』は、三田文学会に直接購入申し込み手続きをしたおかげで、重版ではない「三田文學 夏季号 2020」〈第99巻 第142号 夏季号 2020年8月1日発行〉を手にすることができました。

 三田文學 夏季号 奥付.j


 7月12日の「Honya Club」と「Amazon」の公式サイトには、『影に対して』の本は、現在ご注文いただけません。となっていました。
 7月13日の「Honya Club」は、前日と同じ、現在ご注文いただけません。と表示されていましたが、「Amazon」では、2件の4980円が検索されました。