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加藤 廣

2012/ 10/ 22
                 
謎手本忠臣蔵

第十二章 戦わんかな時至る 元禄十五年秋

 
・・・十二月十三日早朝。「十四日、吉良邸にて年忘れ茶会が開催さる」との諜報が飛び込んできた。・・・
 
・・・翌十四日。うたた寝から飛び起きた内蔵助のはれぼったい目に飛び込んできたのは、思いがけない真っ青な空であった。「これぞ天佑」。思わず叫びたい心境だ。
天に満月
地に残雪
この二つが揃っていれば、今夜は松明も提灯も要らない。・・・
・・・
「では」と言って、指名も待たず立ち上がると、手拍子を取りながら『羅生門』の一曲を謡い出した。
 伴ひ語らふ諸人(もろびと)に、
 御酒(みき)をすすめて
 盃を、
 とりどりなれや梓弓(あずさゆみ)
 やたけ心のひとつなる
 武士(つはもの)の交じはり
 たのみあるなかの酒宴かな
・・・

☆赤穂で毎年義士祭が12月14日に行われます。あと二か月弱で討ち入りの日を迎えます。
 この旧暦の日付を西暦(グレゴリオ暦)で読み替えると翌年の1月30日が、その日となりますが、そんなことはさておくとして
☆「謎手本忠臣蔵」は、「週刊新潮」に平成20年1月3・10日号から平成20年10月30日まで連載されました。私は現役時代新聞の切り抜きも趣味の一つでしたので、その延長線上で加藤廣さんの忠臣蔵連載の初回からスクラップブックに貼り付けました。
彼は60歳から小説を書き始め、2005年、75歳の時に『信長の棺』で文壇デビュー。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』へと続く「本能寺三部作」(日本経済新聞社刊)がベストセラーとなっています。
☆「あとがき」に彼の立ち姿が凝縮されています。そのほとんどを端折りますが、・・・この作品を紐解く文章を拾ってみますと、・・・
 ・・・この『謎手本忠臣蔵』も、そんな複眼思考で書かれた。実際、書いてみると、忠臣蔵ほど不思議な、そして厄介な事件はなかった。忠臣蔵をタイトルとしてAND検索すると二六七もの文献があり、忠臣蔵ウオッチャーは古今東西千人を超えている。しかし、事件から三百年以上たった今日も、浅野内匠頭が、なにを怒っていたのか、納得のいく説明は、どの文献にもない。・・・

上帯
日本人は三百年間騙されていた!
『信長の棺』を凌駕する、壮大なミステリー
浅野の殿は、幕府に殉じて果てたのだ――。 
 浅野内匠頭が最後まで
 秘匿した事実は
 幕閣・柳沢吉保を
 震撼させた――。
 朝幕の紛争・喪われた
 密書の行方……

下帯
元禄赤穂事件の真相を解き明かす、衝撃の歴史長篇
吉良を消すのだ―― 赤穂の浪士たちを使ってな。
 逸る家臣、沸き立つ世論、
 焦る将軍、不気味な朝廷、
 深謀を巡らす大石内蔵助……。
 熾烈極まる情報戦を、
 幕閣は生き延びることが
 できるのか?


謎手本忠臣蔵 上

謎手本忠臣蔵 下

❀上下何れも新潮社より、2008年10月30日に発行されています。
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