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山村暮鳥

2012/ 11/ 02
                 
山村暮鳥

 より

 ふるさと
淙々(そうそう)として
天(あま)の川が流れてゐる
すっかり秋だ
とほく
とほく
豆粒のやうなふるさとだのう

 ある時
また蜩(ひぐらし)のなく頃となった
かな かな
かな かな
どこかに
いい国があるんだ

 赤い林檎
 おなじく
こどもはいふ
赤い林檎のゆめをみたと
いいゆめをみたもんだな
ほんとにいい
いつまでも
わすれないがいいよ
大人(おとな)になってしまへば
もう二どと
そんないい夢は見られないんだ

 雲
丘の上で
としよりと
こどもと
うっとりと雲をながめてゐる

 おなじく
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきさうぢゃないか
どこまでゆくんだ
ずっと磐城平(いはきだひら)の方までゆくんか

聖三稜玻璃(せいさんりょうはり) より

 風景
  純銀もざいく
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしゃべり
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな。

日本詩人全集 13 木下杢太郎・山村暮鳥・日夏耿之介 昭和43年7月20日発行 発行所株式会社新潮社
日本詩人全集 13

日本詩人全集 13 カバー
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