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月報洋酒マメ天国5

2012/ 06/ 07
                 
月報 洋酒マメ天国 5

女人身近(みじか)随筆

 小さなほんもの    吉田日出子  女優 
 酒のたしなみ     佐多稲子   作家
 バッカスへの貢物   村松英子   女優
 藤見の宴       堀文子    日本画家


小さなほんもの  吉田日出子 女優
 私が、この小さな小さな本を初めて見たのは、あるお友達の家だった。その人の家には、いろんなレコードやら、本などがたくさんある。私は遊びに行くたびにいろいろめずらしいものを見つける。
 で、その日も私はなにげなく本箱のほうに立って行った。たくさんの本のはずれに、小さな本を見つけた。"洋酒マメ天国”と書いてあった。ひらいてみると絵がかいてある。こんな小さな本なのに、とてもきれいな絵や、写真や……私はとてわくわくっとした。この本がほしい!と思った。でもそのことは口に出さなかった。なぜって、その人はけちんぼだから言ったとしてもくれる訳がないと思ったから。私は小さいとき、手の上に乗る位の小さな小さな馬がほしいと思ったことがある。でも、私のほしかったのは、実物と同じに出来ていなければならない。何一つ手を抜いたものでは、がっかりする。実物がそのまま小さくなっただけで、それがぴょこぴょこと走ったりしたら楽しいもの。私は今、小さな小さな、客席数60という劇場で芝居をすることが多い。小さいものが好きな訳ではない、なりゆきでそうなってしまったから。小さい劇場というのは、大劇場では出来ない"何か"を打ち出すことが出来るのではないかと思っている。私がこの小さくて、ちょっとにくたらしい"洋酒マメ天国"を手にしたときに感じたわくわくっとしたものも、その"何か”の一つなのかもしれないな、と思ったりもする。とにかく私はこの本がほしかったので、今、三冊が一つのカバーに入ったのを三つもらってほくほくしている。
 

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