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新嘗祭

2012/ 11/ 23
                 
六七 新嘗祭と稲荷祭り

 十一月二十三日の新嘗祭は(終戦後勤労感謝の日となりましたが、内容は新嘗祭と変りありません)二月の祈年祭に対する作物の御礼の祭りであります。鎮守ではやはりお祭りが行われます。但しこれが春秋の例祭と異なるのは多少官製的な気分が祭りに残って村民は浮かれ気分にならない点にあります。この点は祈年祭も同様です。
 扨て私共の村では各戸の稲荷祭の主旨により、この十一月二十三日に行う様に更生計画で定めました。私の家などは以前は十二月十五日がこの稲荷祭りの日でありました。
 稲荷祭りは前日、屋敷稲荷の掃除をしまして「奉納正一位稲荷大明神」と云う古い幟を立てます。当日は夕食に赤飯を作り鰯を添えて稲荷様に供えます。そして裏口の竈の上のところに注連繩を新しく一本かけ渡します。この注連繩は私共では古いのを取り去りますが、多くの家はとらぬ家例で裏口がかたむく程毎年のが重なり合って張ってある家を見受けます。外に篠を沢山切って来まして半紙で簡単な「オンベロ」(幣帛)を作ります。それは二枚重ねの長方形の紙を上は切らず、中から二つ切目を入れ、中央の片を上にまくりそこに篠を割ってさすのです。このオンベロは沢山作って稲荷様の外神棚へも仏壇にも土蔵、床の間、井戸、便所等方々へあげるのです。そして翌朝これを下ろします。子供の時は沢山おろした方がよいというので競争で早起きして集めました。


習俗歳時記(補修再販)  昭和50年10月1日発行
著者 今井 善一郎    発行所 株式会社 煥乎堂
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