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赤城の神

2012/ 12/ 25
                 
竜神伝説

赤城山⑤
 利根大堰より赤城山を望む

 ときに昔話は、伝承としてのその地方の歴史を物語り、それはまた史実として解き明かす鍵になるロマンそのものかも知れません。
 「赤城の神」の「沼姫考」の冒頭、赤城山には大沼、小沼という二つの湖がその山頂にあります。その小沼には古くから沼姫の言い傳えが語られています。・・・と記述が始まっていますが、世間に言う赤城山の竜神伝説は世人の知るところです。
 ・・・その家に四月八日の仏涅槃の日に不思議な赤ん坊が生まれました。それは両方の腋の下に各々一枚ずつ鱗の形のある女の子だったのです。不思議には思ったけれど、何しろたった一人の女の子故、それこそ蝶よ花よと大切に育てたという事でした。そして次第に大きくなり、朝夕鏡を眺めて髪を梳けずるようになると姫は窓から見える赤城山を鏡に映したり又直接窓辺によって眺める事が常になったといいます。そして十六になった年の四月八日の事でした。姫は俄かに母なる人に今日は赤城へ登りたいと申し出したというのです。四月八日は赤城の山開きの日で若い男女は皆登山する日です。母は早速父に相談しました。空のよく晴れた日だった相です。・・・

 「あかぎの神」の著者は、はしがきで、本書は多少民俗学的な方法を借りては居るが、正系統の民俗学の研究ではない。昔の郷土研究というやり方に民俗学の匂いを少しつけた程度のもので、・・・とことわりがきをしています。

 その「沼姫考」では、・・・ここで直ちに思いつく事は榛名の沼姫の事です。榛名にも恰度赤城と似たような沼姫伝説があり、その主人公は・・・と言葉が続きます。
 赤城の竜神伝説は世人の一人として聞きかじっていましたが、榛名の沼姫のことは本書で初めて知りました。

 この「赤城の神」の作者は、帰納的に、そして演繹的に、遠近法の如く、今は昔を様々な資料を重ね、推考しながら断定は避けながらも、その事実の辿り着くところにに思いを馳せています。

はしがき
赤城信仰の変遷
赤城のから社
沼姫考
赤城のから社(再び)
戸神考
赤城のから社(三たび) 
赤城雑纂
 赤城神社の移建について一言
 赤城と猪谷氏
 赤城の鳥居と登山道
 赤城と蜈蚣
 赤城と茨
 大沼と納鏡(一)
 大沼と納鏡(二)
附載 赤城の地名図及び其の多少の説明 
 赤城の地名について
あとがき

赤城の神      昭和49年3月20日発行
著者 今井善一郎  発行所 株式会社煥乎堂


榛名山⑥
利根大堰より榛名山を望む
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