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七草

2013/ 01/ 07
                 
小寒 二十四節気の一つ。今年は一月五日が小寒。この日から寒の入りで、寒明け(節分)までの約三十日間を寒の内といい、年間を通して最も寒さの厳しい日々を迎える。寒に入って四日目を寒四郎、九日目を寒九という。


 七種や今を昔の粥の味 太田鴻村
 

 一四 七草  
 
 七日はやはり朝早く起きます。若水を汲み御燈明を神仏にささげ、茶を立てて供えます。それから七草の行事を行うのです。大概家の者が起きない中にやるのが常でした。子供の時は同じく小学生であった若い叔父達と共に、更に後には弟と一緒にやったのですが、今は子供達が二、三十才になって三人揃ってこれを受けついでいてくれます。お正月の色々の行事の中これは特に大声を発するものであるだけに気恥しい仕事ですが、やがて成長してくるであろう孫達の正月生活をより豊かにさせ得る事と思って簡単にしながらもこの事を今もやり続けているのです。
 年神棚の下に一枚のウスベリを敷きその上に小桶を置き上に俎をのせます。その俎の前と左右に年男と外の子供達が座るのです。俎の上には火箸(これは囲炉裏で用いる太い長い鉄の火箸です)とスリコギ及び鉋丁とがこの俎の上に置かれます。五日に採ってきて年神様に供えてあったセリとナヅナは笊ごとおろされて小桶の中に入れられます。このセリ、ナヅナを少量ずつ俎の上に取り出して三人して三つの道具でこれをうつのです。庖丁は大体初めにこまかく切った後はミネを用いるのです。よく打てて柔かくなると別の小皿にためて又一度年神様に供え七草粥の中へ入れるのです。
 この三人してナヅナ、セリを打つ時、次のうたをうたいます。大声で家中のもののねむりをさますのです。

 七草なづな
 唐土のとりが
 日本の土地へ
 渡らぬ先に
 何 たたく
 セリたたく

 七草粥は右のセリ、ナヅナの他に人参、大根、昆布を入れて煮るのです。所謂春の七草とは実物は転化して居ります。これを七つ鉢に盛って神仏に進ぜます。
 夕方は燈明と御飯を供えます。
 七草の日に門松をやすめます。門楢はそのまま立てて置いて松だけのぞくのです。尤も松の芯だけは丁度山初めの時と同じにもとの根元に残して立てられるのです。
 神棚のお棚松も同様に、この時松の芯だけお棚に残します。これが七草の朝の仕事です。

 収蔵歳時記(補修再販)より


 ・若水=わかみず=年中行事の一。立春の日の早朝、後世は、元旦に初めて汲む水。一年の邪気を除くという。 ・御燈明=おとうみょう=灯明=灯火。神仏に供える灯火。
 ・年神=としがみ=五穀を守るという神。また、五穀の豊年を祈る神。
 ・ウスベリ=薄縁=縁をとったござ。
 ・俎=まないた。
 ・笊=ソウ=ザル、竹製の器物の名
 ❀「笊」:「明解漢和辞典(新版)」 編集者長澤規矩也 発行所株式会社三省堂 昭和36年10月20日 第21刷発行による。
 ❀「若水」、「灯明」、「年神」、「ウスベリ」、「俎」:「広辞苑」編者新村出 発行所株式会社岩波書店 昭和39年1月15日 第1版第12刷発行による。
 ❀「鉋丁」を「包丁」、「ホウチョウ」と呼んでいいのでしょうか。5種類の辞典をあたってみましたが、該当する文言は見当たりませんでした。 
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