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洋酒マメ天国 29

2013/ 01/ 16
                 
チャタレー裁判 世界大百科事典 第2版

 英文学者伊藤整が全訳した「チャタレイ夫人の恋人」が、刑法175条の猥褻文書販売罪に問われた事件。
 第二次世界大戦前には、同書の英語原版は春本の扱いを受けて、関税定率法上の輸入禁止図書とされていたが、戦後には原作者、D.H.ロレンス文学は高く評価されるようになり、1950年に出版されたこの翻訳本は、戦後期の開放的文化の風潮を象徴して広く歓迎された。それだけに、その摘発と起訴(1950年9月)は、憲法の保障した表現の自由を危うくさせる、文芸に対する国家の統制強化として、深い関心を引き起こしている。
 ※伊藤整版の「チャタレイ夫人の恋人」に関しては、最高裁で有罪が確定していますので、現在も発禁のままです。これ以降、何度も完訳本が刊行されていますが、何ら問題となっていません。
 ※なお、新潮文庫版の、伊藤整・伊藤礼の共訳本は、【共訳】という表現だけが異なりますが、内容は初版本と全く同じです。
 ※時代とともに、【猥褻物】という捉え方が変わってくるという、代表的なモデルケースといえるでしょう。

 
 洋酒マメ天国 NUDEのカクテル 29

 序章より
 ・・・ しかし、ヌードとは、もともと「人間が衣服を着ていない状態」を意味する言葉にすぎず、とくに性別はないし、またエロチックな感じもふくまれているわけではない。英語のヌード nude の語源はラテン語のヌードウス nudus であり、さらにその語源はサンスクリットのナグダ nagds であって、これは由緒正しい古い言葉なのだ。
 私の翻訳したサドの『悪徳の栄え』が発禁処分を受けて、裁判になったとき、法廷に出てきた証人のひとり(夫人矯風会のおばさんであった)が、「芸術的な裸婦なら結構なのでございますけれども、ヌード的な裸体は困るのでございます」と言ったので、私は思わず吹き出してしまったことがあった。このおばさんのように、ヌードといえば、何かいかがわしいものと決め込んでいる人も、意外に多いような気がするが、どんなものだろうか。・・・

序 章
第1章 セミ・ヌードの時代
第2章 ヌード・プロフェッショナル
第3章 紅毛・碧眼の美女たち
第4章 オンナ・部分の追究
第5章 昭和元禄の若いハダカ
 写真
 稲村 隆正
 秋山庄太郎
 中村 正也
 細江 英公
 篠山 紀信

洋酒マメ天国第29巻    昭和43年10月30日発行
著者 渋沢 龍彦      発行所サントリー株式会社


洋酒マメ天国 29

 
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