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100分de名著 生きがいについて 神谷美恵子

2018/ 05/ 17
                 
 「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいをみいだすのだろうか」
 神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。
 本書は、ひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、まさに生きた思想の結晶である。1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著に執筆当時の日記を付して贈る。(解説・柳田邦男)
 -神谷美恵子コレクション 生きがいについて 2018年4月16日 第13刷発行 著者:神谷美恵子 発行所:株式会社みすず書房 -


 『皇后の真実』(著者:工藤美代子著.発行所:幻冬舎)の中で、著者は、当時の美智子妃と神谷美恵子との心の交流を描いています。
 おふたりともに聖書に造詣が深いことでも夙に知られているところです。

その工藤美代子氏は自著『悪名の棺』で、日本の黒幕笹川良一の為人の一端を覗いています。
 母のテルが息子に言ったという「いっそう心して世のため人のために働くよう心がけなあきまへん」という、その言葉を守り続けた笹川は、質素な食生活を好む一方で、世界中のハンセン病患者の施設を慰問し、患者の手を握り励ましました。また終戦直後は、東京裁判の戦犯家族を支援し、関係者からの感謝の手紙が3000通も残っている。と記しています。
 笹川良一の質素な食生活の例としては、夕食のおかずはメザシ2本が定番、ご飯は切り干し大根を一緒に炊いた大根飯、あるいは生卵かけご飯だったそうです。


 閑話休題、

 『生きがいについて』の著者である神谷美恵子は、それは人間が努力して一から作り上げるものではなく、発見すべきものであるといいます。そしてその「生きがい」の発見は、自分が何か大きなものに包まれているという実感から始まる、というのです。と『100分de名著 生きがいについて』のゲスト講師の若松英輔氏は述べていますが、その第2回「無名なものたちに照らされて」の中で、更に次のように語っています。
 《 神谷美恵子にとっての「生きがい」とは何かを発見しようとする旅路は、無名の人たちによって照らされていきました。誤解を恐れずにいえば、『生きがいについて』は、彼女が出会った無名の賢者、無名の英雄たちの記録だといってもよいと思います。》と。

 100分de名著 神谷美恵子 テキスト


 第3回は「生きがいを奪い去るもの」(5月21日放送)、第4回は「人間の根底を支えるもの」(5月28日放送)と続きます。


 第3回「悲しみの深みで他者とつながる」文中に書かれた、神谷美恵子の言葉と、ブッシュ孝子の詩(『白い木馬』:神谷美恵子『こころの旅』所収)を載せて、ページを閉じることに致します。


 ひとたび生きがいをうしなうほどの悲しみを経たひとの心には、消えがたい刻印がきざみつけられている。それはふだんは意識にのぼらないかもしれないが、他人の悲しみや苦しみにもすぐ共鳴して鳴りだす絃のような作用を持つのではなかろうか。 [中略] しかしもしそこにあたたかさがあれば、ここから他人への思いやりがうまれるのではなかろうか。




  暗やみの中で一人枕をぬらす夜は
  息をひそめて
  私をよぶ無数の声に耳をすまそう
  地の果てから 空の彼方から
  遠い過去から ほのかな未来から
  夜の闇にこだまする無言のさけび
  あれはみんなお前の仲間達
  暗やみを一人さまよう者達の声
  沈黙に一人耐える者達の声
  声も出さずに涙する者達の声






 生きがいについて 神谷美恵子 





  皇后の真実 工藤美代子著




  悪名の棺 工藤美代子
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