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東歌

2013/ 03/ 25
                 
東国十二国

3380 
埼玉(さきたま)の 津に居(を)る船の 風を疾(いた)み
 綱は絶ゆとも 言(こと)な絶えそね

[意] 埼玉の船着き場につないだ船の綱がたとえ強い風に負けてほどけてしまっても、二人の間の便りは絶えはしないよ。 
 

 万葉集巻十四に納められた歌二百三十余首は、東国十二国を詠んだものとして、「東歌」として今日伝えられています。
 東国とは、遠江・駿河・伊豆(静岡)、相模(神奈川の一部)、武蔵、上総・下総(千葉)、常陸(茨城)、信濃(長野)、上野(群馬)、下野(栃木)、陸奥(福島)の十二の国をさしています。
 東京、埼玉、千葉、神奈川の一部が、武蔵国です。あちこちに、武蔵国分寺の名が今に残っています。

 上記、埼玉の・・・で始まる歌碑は、行田市に建てられています。
 その行田には、万葉集巻九でおさめられている次の一首も歌碑に刻まれています。

1744 
武蔵の小崎の沼の鴨を見て作る一首
埼玉(さきたま)の 小崎(おざき)の沼に 鴨そ翼(はね)きる
 己(おの)が尾に降(ふ)り置ける 霜を払(はら)ふとにあらし

[意] 埼玉の小崎の沼に鴨が尾をふるわせている。自分の尾に降りそそいだ霜を羽をふるわせて払おうとしている。




風のと(音)  

万葉集巻十四 3453
風の音(と)の 遠(とほ)き我妹(わぎも)が着せし衣(きぬ)  
 手本(たもと)のくだり まよひ来(き)にけり


[意] 遠い郷里に残した妻が、最後に着せてくれた衣の袂のほうが、だんだんとほつれてきてしまっている。

❀ 「風の音」は遠きにかかる枕詞なので、「風の音」を意味する解釈はとらない。
❀ (妻と遠く離れてからどれくらいの歳月が経ったというのだろうか・・・) 




❀通し番号について
・国歌大観は、和歌の集大成であり、1901年から1903年にかけて刊行。通し番号をつけて編纂。
・新編国歌大観は、1983年から1992年にかけて、角川書店から刊行。
・万葉集について、国歌大観は4536首、新編国歌大観は、4首の漢詩にも通し番号をつけたため、4540首となり、万葉集巻三以降、番号が異なることとなる。
・通常ことわり書きがない場合は、国歌大観の通し番号がつけられる。
❀追記
 万葉集は、日本最古の歌集。全20巻。
 巻一から巻十六までは、西暦744年(天平16)頃までに、巻十七以降は、西暦759年(天平宝字3)頃までのものとされています。
 7世紀に柿本人麻呂らが集めた歌(集)を底本に、8世紀に大伴家持が個人的な歌(集)も加えてとり纏めたもの。というような説明が、一般的な記述になっているようです。
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