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洋酒マメ天国 34

2013/ 04/ 09
                 
洋酒マメ天国 ケッ作美術館 34

 タテおよそ96㎜、ヨコおよそ69㎜のサントリーが発行した本。
 洋酒マメ天国シリーズ、この巻も含めて、いよいよあと3巻で幕を閉じます。

 第1章 GOKETSU室
 第2章 SHUNPU室
 第3章 近代HIPPU室
 第4章 現代SHIRI滅裂室
 第5章 彫刻DAIDENBU
 第6章 OSHIRIENTARU室
・・・・・・ イラスト=杉浦幸雄 ・・・・・・ 

洋酒マメ天国第34巻     昭和45年1月30日発行
著者 杉浦幸雄        発行所サントリー株式会社

洋酒マメ天国 34 ②


第5章 彫刻DAIDENBU より 
 くねくね論
 日本の春画と西洋の春画を比べると、日本春画の美人たちの方が、西洋美人たちより、なんとなく、より多くからだをくねらせているのに気がつく。
 西洋の春画の婦人たちは、堂堂と大手をふって性を楽しんでいる感じだが、日本の婦人はからだをくねらせながら、いかにも、他人に気がねし、気をつかっている感じである。
 そしてその方が、よけいに陰湿で淫靡なお色気が発散して、春画としては上等である。
 バレーなどの西洋の踊りが、手足をのばして、飛んだりはねたりするのと、日本の踊りが、くねくね、なよなよしているのとよく似ている。
 要するに国民性の相違だ、といってしまえばそれまでだが、ある建築の大家に聞いたのだが、それは建築のせいでもあるそうだ。
 あちらの寝室は、鍵をかければ厚い壁で外界と仕切られる。中で夫婦が、飛んだりはねたりバレーごっこしようが、くんずほぐれつプロレスごっこをしようが、なにをしてもO・Kよ。
 こちらはそうはいかない。一軒の家に親兄弟が同居して、夫婦の寝室というものがない。
 あっても寝室と外界を仕切るものは、障子と唐紙。
 障子、唐紙では、ヒソヒソ話もつつ抜けになる。障子なんてものは、指にツバをつけて穴を開ければすぐ窓になる。
 そして隣には鬼千匹の姑、小姑、ジャリどもがうようよして、聞き耳をたてている。かくて昔の日本の可憐な妻は、くねくねせざるを得なくなる。
 われらの先輩浮世絵師たちがそこをなんで見逃そうぞ。
 チャチな日本の建築が、万邦無比、世界に冠たる日本の春画を生んだというお話。

第6章 OSHIRIENTARU室 より
 「朝粧」騒ぎ
 この本は一切解説抜きの方針だが、一つだけオマケ。
 本の一番終りの黒田清輝氏の裸婦像について。
 この絵は明治二十八年(一八九五年)に、第四回内国勧業博覧会に発表され、題は「朝粧」という。
 日本で最初に公開された、本格的裸体画である。
 ところが、封建色いまだ濃厚な当時としてはこれが大問題となった。
 世論は沸騰し、非難ごうごう。はては警官まで出動して、ついに絵の一部に布をかけるという騒ぎになった。
 そのころ日本に滞在していて、日本のあらゆる風俗をかきまくったジョルジュ・ビゴーというフランス人漫画家がいた。
 近代日本の漫画の父のような人である。
 ビゴー氏は「朝粧」ぐらいの裸体画で、警官出動までして騒ぐのはおかしいじゃないか。
 お尻の絵を見て、アッと驚いている婦人だって、尻はしょりをしているじゃないか。
 風呂屋にいけば、男の三助が平気で女湯にはいって、女の背中を流しているではないか。
 雨が降ると、婦人は裾をまくって足をニョキッと出して歩くではないか。
 といったような漫画を沢山えがいて冷やかした。
 この「朝粧」がキッカケとなって、ドッとばかりに裸体画が流行して、わずか七十余年にして、どんなにハンランしたかは、皆さんもご存知のこと。
 現代日本の画家によるケッ作も載せたいのは山々だが、いろいろおさしさわりもあろうかと、ケツ愛じゃない、割愛させてもらった。
 尻切れトンボでほんとにすみません。








 
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