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師走のぬくもり

2013/ 12/ 10
                 
 湯にいってきて大魚を食っている


 12月13日は「煤払(すすはら)い」、大掃除の日。家族総出で真っ黒に働いて、銭湯でさっぱり帰って来て、きれいになった部屋で、揃(そろ)って大魚を夕餉(ゆうげ)に食べているという句。メインの大魚は味噌(みそ)仕立ての鍋の中。湯上りの体が朝目覚めるまではほかほかになる特製汁だ。この大魚、並の大きさではない。じつは鯨(くじら)なのである。クリスマスの七面鳥のように、煤払いの夜には鯨がなくてはならなかった。当時、安価な照明灯油に、もっぱら鯨油(げいゆ)が用いられていたため、翌14日は、どの江戸っ子の体も「行灯(あんどん)臭かった」という。今では、すっかり忘れられた、江戸ならではの珍しい食習慣のひとつである。


大江戸美味草子  (おおえどむまそうし)


著者 杉浦日向子 (すぎうらひなこ)
―新潮文庫―


陶房窯八作⑯20130715







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