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徳仁親王 富士山に登って

2014/ 06/ 13
                 
 富士山初登頂

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 間近に眺める火口は切り立って深く、雪も残っていて迫力があった。古く、平安時代の九世紀頃の書物に富士山頂に関する記述があることから、それ以前から人々は富士山に登り、火口を眺めていたことになる。
 レーダードームが撤去された山頂の測候所への最期の登りが意外にきつく感じられたが、日本一の高所からの光景はすばらしかった。長い間、私にとって登頂した最高峰であった北岳をはじめとする南アルプスの山々の連なり、甲斐駒ヶ岳の右遠方に望む穂高や槍ヶ岳などの北アルプスの山々。その右には八ヶ岳。そして金峰山などの奥秩父の山並みへと続く景色は実に雄大で印象深かった。この雄大な景色に見惚れるうち、長年来の夢が叶い、富士山に初登頂できた喜びもひしひしとわいてきた。そして、この山への登山が実現したかげに多くの方々の理解と協力があったこともありがたく思った。
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 富士山と私たち

 昨年七月一日の山開きの日に、私は、山梨県富士吉田市の北口本宮富士浅間神社を訪れた。境内の鳥居では、前日に注連繩を断ち切る「お道開き」の神事が行われていたが、今までに何人の人がこの鳥居をくぐり、富士山に向かったかと思うと、感慨もひとしおであった。
 私の誕生日は二月二十三日で、奇しくも「富士山の日」と重なる。そして、小学校一年生で富士山の作文を書いた頃から半世紀近く、私は富士山に見せられ続けていることになる。世界文化遺産に登録された富士山と、私たちは今後どう向き合っていったら良いのだろうか。私たち一人一人が真剣に考えるときではないかと思う。富士山の自然が守られ、今後何世代にもわたり、人々が富士山の美しさを享受できるよう心から願わずにはいられない。


 特別寄稿  
皇太子さま 富士山に登って
   写真と文=徳仁親王

岳人 7  GAKUJIN 2014 JULY №805



皇太子さまのおもな山行記録
昭和40年  離山、一ノ字山、小浅間山、石尊山、他
昭和41年  小浅間山、石尊山、角落山塊、浅間山、黒斑山、他
昭和42年  箱根山、乗鞍岳、小浅間山、浅間隠山
昭和43年  筑波山、愛宕山、小浅間山、石尊山、他
昭和44年  鼻曲山、小浅間山、剣ヶ峰
昭和46年  小浅間山、浅間山、三峰山
昭和47年  石尊山、燕岳、小浅間山、押立山、森泉山
昭和48年  丹沢山塊、西吾妻山、鼻曲山、白馬連峰
昭和49年  エアーズ・ロック(オーストラリア)、瑞牆山、三方ヶ峰、湯の丸山、一ノ字山
昭和50年  乾徳山、赤城山、金峰山、三方ヶ峰、蓼科山、他
昭和51年  夜叉神峠、黒斑山、八幡平、裏岩手、岩手山
昭和52年  裏高尾、鼻曲山、鷹ノ巣山~六ツ石山、御岳山~大岳山、他
昭和53年  武甲山、那須岳、岩手山、妙技山、谷川岳、石尊山
昭和54年  三頭山、天城連山、大雪山連峰、石尊山、浅間隠山、草津白根山
昭和55年  雲取山、荒船山、白山、箱根湯坂道、草津白根山、両神山
昭和56年  志賀高原スキーツアー
昭和57年  志賀高原スキーツアー、金時山、川苔山、茂来山、苗場山、那須岳、丹沢主稜
昭和58年  八幡平・安比スキーツアー、御前山
昭和59年  ベン・ネヴィス(イギリス)
昭和60年  スノードン、スコーフェル・パイク(イギリス)
昭和61年  八幡平スキーツアー、大山、荒川三山赤石岳縦走、利尻山、八ヶ岳、平ヶ岳、棒ノ折山、四阿山
昭和62年  サランコット(ネパール)、奥白根山、女峰山、白峰三山(北岳~間ノ岳~農鳥山)
昭和63年  開聞岳、富士山、唐松岳~五竜岳
平成2年   戸倉三山、大峰、甲斐駒ヶ岳~仙丈岳、高峰高原
平成3年   笹尾根から三頭山
平成4年   三ヶ岡山、蕎麦粒山、八幡平・安比スキーツアー、二子山、白砂山、那須岳、南月山、常念岳~蝶ヶ岳
平成5年   大岳山
平成6年   高水三山、八幡平、那須岳、羅臼岳
平成7年   雲取山
平成8年   南月山~白笹山
平成9年   三本槍岳、磐梯山
平成11年  富山(千葉県)、八幡平
平成12年  (姥ヶ平、沼原湿原)
平成13年  那須岳、牛ヶ首方面、北奥千丈岳~国師岳
平成14年  大菩薩峰
平成16年  鷹ノ巣山、御正体山
平成17年  棒ノ折山、岩菅山、八ヶ岳
平成18年  鳥海山
平成19年  雲取山
平成20年  笠取山、富士山
平成21年  三ツ峠山、那須岳・牛ヶ首方面、焼額山
平成22年  那須岳、伊吹山
平成23年  ―
平成24年  大山、南月山、御岳山~日の出山
平成25年  朝日岳
平成26年  徳倉山~鷲頭山~大平山
  所収「徳仁親王 富士山に登って」<岳人 2014年7月号 №805>


「皇太子さま エッセーを寄稿」 
皇太子さまは、「富士山に登って」と題したエッセーを登山
専門雑誌に寄稿された。ご自身で撮影した写真とともに、
富士登山の思い出をつづられている。13日発売の「岳人」
7月号の巻頭グラビアに掲載。約3000字の原稿では、2008
年8月に富士山初登頂を達成した時を振り返り、「日本一の
高所からの光景はすばらしかった」とつづられた。
 -讀賣新聞 2014年6月13日 朝刊 社会面-












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