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夏の花 ヒマワリ

2015/ 07/ 30
                 
 夏の季語、向日葵。


 向日葵を陽より大きく描く子かな  姉歯義ひろ

 向日葵の花向かい逢いにしひがし  木村宏一



 昨年は、あちこちの向日葵畑を見に行きました。
 大きな大きな畑の中の向日葵の群落も、それはそれは見事でした。

 ポツネンと一つ、輝いて咲いてる荒川の向日葵もとても印象に残っています。

 今年は、ヒマワリをおっかけて、どこぞへ行こうという気持ちは、今のところわいていません。


向日葵 荒川 2014年8月7日①
 向日葵一輪 2014年8月7日 荒川



ハグロトンボ 荒川 2014年8月7日 ②
 ハグロトンボ 2014年8月7日 荒川


                 
        

夏の詩 直子

2014/ 07/ 18
                 
工藤直子 夏がきた

ゆうがた――綿雲が山にこしかけて 泣いている
ひばり びっくり とびあがり
ドーシタ ドシタドシタと 声をかける
ほっぺたはれて虫歯がいたいと 綿雲めそめそ
ひばり もっと とびあがり
ワタグモ ムシバダムシバダゾイと 呼びかける

ここへきて歯をみがきなと 森が呼ぶ
それからここで口をゆすぎなと 川が呼ぶ
おーい それから最後にな と
西の空から太陽の声
ひかりの糸で 虫歯をぬきな

綿雲は 山にすわりなおして
ひかりの糸を 虫歯にむすぶ
ようし せえの

あ 太陽が ぐんぐんしずむ
あ ひかりの糸が ぴんとのびる
あ 綿雲ふんばる 赤くなる
あ あ あ すっぽーん!

その夜 綿雲は月にだかれて眠った

よくあさ――綿雲は山に立って 笑ってる
わっはっは わっはっは わっはっは
ひばり にっこり とびあがり
ワタグモ マブシイマブシイゾイ
森 笑う 川 笑う
太陽も ぶるんぶるん おお笑い

きょう 綿雲は ひとまわり大きく

ぴかぴかの入道雲になった



工藤直子 おれはかまきり

おう なつだぜ
おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
あまり ちかよるな
おれの こころも かまも
どきどき どきどき するほど
ひかってるぜ
おう あついぜ
おれは  がんばるぜ
もえる ひをあびて
かまを ふりかざす すがた
わくわく わくわく するほど
きまってるぜ









                 
        

夏の詩 みすゞ

2014/ 07/ 18
                 
  金子みすゞ  夏の宵

暮れても明るい
空のいろ、
星がハモニカ
吹いている。

暮れても街には
立つ埃、
  空馬車からから
踊ってる。

暮れても明るい
土のいろ、
線香花火が
もえ尽きて。
あかい火だまが
ほろと散る。



 金子みすゞ 夏

「夏」は夜更し
朝寝ぼう。

夜は私がねたあとも、
ねないでいるが、朝早く、
私が朝顔起こすときゃ、
まだまだ「夏」は起きて来ぬ。

すずしい、すずしい、
そよ風だ。



                 
        

夏の詩 のり子

2014/ 07/ 18
                 
茨木のり子  夏の星に    

まばゆいばかり
豪華にばらまかれ
ふるほどに
星々
あれは蠍座の赤く怒る首星アンタレス
永久にそれを追わねばならない射手座の弓
印度人という名の星はどれだろう
天の川を悠々と飛ぶ白鳥
しっぽにデネブを光らせて
頚の長い大きなスワンよ!
アンドロメダはまだいましめを解かれぬままだし
冠座はかぶりてのないままに
誰かをじっと待っている
屑の星 粒の星 名のない星々
うつくしい者たちよ
わたくしが地上の宝石を欲しがらないのは
すでに
あなた達を視てしまったからなのだ


     茨木のり子


                 
        

天文・・・夏

2014/ 07/ 17
                 
 「虹」は、夏に多く見られることにより、夏の季語となっています。 
 太陽の光が雨滴によって屈折反射して起こる現象ですので、常にお日様を背にして見ることになります。平地で見る虹は半円形ですが、高地から見ると円形に見えたりします。夕立の後、さっと七彩の弧を描いた虹は、ときに、目の覚めるような美しさで突如として現れます。朝虹は雨に、夕虹は晴れになる前兆ともいわれています。

 あなたは、二重、三重の虹の架け橋をみたことがありますか。
 

虹 ・・・ にじ、朝虹、夕虹
 虹のもと童行き遭へりその真顔   嘉藤楸邨


夕立 ・・・ ゆうだち、ゆだち、よだち、白雨(ゆうだち)、驟雨(しゅうう)
 夕立に一顧もくれず読書かな  星野立子


雲海 ・・・ うんかい
 朝焼の雲海尾根を溢れ落つ  石橋辰之助


夏の星 ・・・ なつのほし、夏星、星涼し、梅雨の星、旱星
 夏星に海も日暮れの音展く  飯田龍太


夏の月 ・・・ なつのつき、月涼し
 なほ北に行く汽車とまり夏の月  中村汀女


雲の峰 ・・・ くものみね、入道雲、積乱雲、雷雲、峰雲
 雲の峰もろにむらだち力満つ  石原八束


夏の雲 ・・・ なつのくも、夏雲
 誰も来て仰ぐポプラぞ夏の雲


夏の空 ・・・ なつのそら、夏空、夏の天、夏天
 夏空へ雲のらくがき奔放に  富安風生


夏の日 ・・・ なつのひ、夏日、夏日影
 夏の日や薄苔つける木木の枝  芥川龍之介


〈短歌:夏の日〉
 夏の日は偉人のごとくはでやかに今年もきしか空に大地に  中原中也

〈短歌:初夏(はつなつ)〉
 こほろぎはあなたこなに鳴きゐたりいまだ
 初夏(はつなつ)のこの畠中に  北杜夫

〈短歌:晩夏〉
 いわけなきこほろぎの仔の逃げかくる庭隈(にはくま)の
 土の晩夏のひかり  北杜夫

 ・北杜夫二首:歌集「寂光」所収 昭和56年4月20日初版発行 発行所中央公論社
  

〈詩:夏の朝〉
 [靑い瞳]より  中原中也

     1 夏の朝

 かなしい心に夜が明けた、
    うれしい心に夜が明けた、
 いいや、これはどうしたといふのだ?
  さてもかなしい夜の明けだ!

 靑い瞳は動かなかった、
   世界はまだみな眠ってゐた、
 さうして、『その時』は過ぎつつあつた、
   あゝ、遐(とほ)い遐いい話。

 靑い瞳は動かなかった、
   ――いまは動いているかもしれない……
 靑い瞳は動かなかった、
   いたいたしくて美しかった!

 私はいまは此處にゐる、黄色い灯影に。
   あれからどうなつたのかしらない……
 あゝ、『あの時』はあゝして過ぎつゝあつた!
 碧(あを)い、吹き出す蒸氣のやうに。