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日本三大奇書 逸著聞集 藐姑射秘言 阿邦遠可志

2019/ 06/ 08
                 
 辞典見るウィキペディアも紐解くがどこにも載らぬ三大奇書

 奇書欲しい言う人あれば手放すといつの間にかのそれなりの歳


 「日本三大奇書」を紐解く前に・・・
 中国明代の長編小説、水滸伝・三国志演義・西遊記・金瓶梅を、四大奇書(しだいきしょ)といいます。  
 金瓶梅(〈※1〉)を、四大奇書の一つというのは、ご存知のことと思いますが、杏花天、浪史奇観、如意君伝、繍榻野史などの本の名前は聞いたことがありますか。
 何れも、知る人ぞ知る、中国艶笑文学書です。

 さて、手元に『日本三大奇書』があります。

 1-1.日本三大奇書 その1

  発行所那須書房、著者斎藤昌三。昭和37年7月7日改補印刷発行となっています。
 序には、「訳者 少雨叟」と記されています。
 文中に、
《 ・・・   ・・・
元来、『逸著聞集(いつちよもんしふ)も『藐姑射秘言(はこやのひめごと)』も『阿邦遠可志(あなおかし)』も、各篇に小題は無いものであるが、読者の便をはかって、今回適宜の題名を付した。
・・・   ・・・   ・・・
原作者並に作品年代に就ては、別項に於て出来るだけ詳細に紹介して置いたから、かれこれ参照されたく、兎に角、本書の如き名玉が拙訳ながらも世に出されることは、時代の進歩とは云へ一面には日本の誇り得る作品であり、原作者も地下に微笑することであろう。
 ・・・   ・・・ 》
 と記しています。
 各書のタイトルを見て、その内容がどのようなものかだいたいは想像がつくというものです。
 《 ・・・ まして右の三大奇書の如きは、大半男女間の性愛を描いてあるとは云へ、一篇々々の裏面にはユーモアの含まれた、時代々々の一種の諷刺作品で、大半は、性愛を皮肉ったものである。しかも、その軽快味は国文独自の寸鉄人を刺す達文で、西欧の短篇集と比較して遜色なかったが、今日まで世上に出なかったことは余りにも不思議である。 ・・・ 》
とも書き記しています。
 
 小話は合わせて120篇となっています。
◇『藐姑射秘言(はこやのひめごと)』(作者黒沢翁満.〈石川雅望作説有〉)
 ・前編10話
 ・後編10話
◇『阿邦遠可志(あなおかし)』(作者沢田名垂〈通称新右衛門〉)
 ・上巻29話
 ・下巻13話
◇『逸著聞集(いつちよもんしふ)』(作者山岡明阿弥作)
 ・58話
 
 はてさて、最後の締めくくりとして、せめてもと便宜的につけたそれぞれの小話の仮題をここに載せようとも思いつつ、後世につけた仮題というが如くもともとの作者の意に染まぬことになろう故、あえて不問に付することに致しました。 ご寛恕あれ。


〈註1:金瓶梅(きんぺいばい)

 ・広辞苑第七版:きんぺいばい【金瓶梅】
 明代の長編小説。四大奇書の一つ。100回。蘭陵の笑笑生の作。作者は王世貞など諸説あるが不明。万暦(1573-1620)中期成る。水滸伝中の武松の物語をもとに、富豪西門慶に毒婦潘金蓮を配して家庭の淫蕩(いんとう)で紊乱(びんらん)した状態を描き、それを通じて明代政治の腐敗、富豪階級の頽廃を活写する。金瓶梅詞話。

 ・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説:金瓶梅:きんぺいばい:Jin-ping-mei
 中国,明の口語章回小説。作者未詳。 100回。 16世紀末頃成立。『水滸伝』から西門慶と潘金蓮の密通のエピソードを借りて発端とし,そこから色と欲の世界を繰広げた小説。山東の豪商西門慶があらゆる不正な手段を用いて富と権勢を手に入れ,彼を取巻く女性たちと悦楽の限りを尽すが,ついに淫薬を飲みすぎて急死するというのがあらすじで,書名は主要な3女性潘金蓮,李瓶児,龐春梅から1字ずつとったもの。その露骨な性描写はたび重なる発禁を招いたが,宋に時代を借りつつ実は当時の社会風俗を浮彫りにし,そこにうごめく人間の欲望を赤裸々に描き出した筆力は凡庸なものではない。 〉


〈註2:四大奇書(しだいきしょ〉

 ・広辞苑第七版:しだいきしょ【四大奇書】
 中国明代の長編小説、水滸伝・三国志演義・西遊記・金瓶梅の四書をいう。

 ・日本大百科全書(ニッポニカ):四大奇書・しだいきしょ
 明(みん)の万暦年間(1573~1619)までに完成をみた中国章回(長編)小説の傑作、『水滸伝(すいこでん)』『三国志演義(さんごくしえんぎ)』『西遊記(さいゆうき)』『金瓶梅(きんぺいばい)』の総称。『水滸伝』は魯智深(ろちしん)・武松(ぶしょう)ら緑林(りょくりん)英雄の世界を、『三国志演義』は群雄割拠の時代の歴史を、『西遊記』は西天取経の旅における孫悟空(そんごくう)の妖怪(ようかい)退治を、『金瓶梅』は悪徳商人西門慶(さいもんけい)を中心とする色と金の世界をと、それぞれ異なったジャンルにユニークな主役・脇役(わきやく)を配して描いており、中国のみならず日本でも広く愛好されている。[大塚秀高]
 . 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)/日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

                 
        

NHK 100分de名著 平家物語 義仲の最期

2019/ 05/ 22
                 
 ブログがスタートして、いつのまにか7年経っていました。
 変わらずお目通しいただきありがとうございます。

 これからはどんなものを記していこうか思案しています。



 平家物語は、NHK大河ドラマ『いだてん』と同じく史実をもとにしたフィクションの世界です。
 (話は横道に逸れますが、私も『いだてん』は気に入っています。毎週日曜日、総合夜8時、BS3夜6時、BS4K午前9時)
 NHK 100分de名著 『平家物語』の第3回は、「衰亡の方程式」と題して、「義仲の最期」の文中で、〈 義仲と今井四郎、清盛と重盛は、驕る者と諌める者という関係、そしてそれぞれの死に方が、まさに合わせ鏡のように描かれています。 〉と述べています。

 1-1-1平家物語


 能楽師安田登氏は、冒頭の「はじめに―鎮められるのは誰の魂か―」で、かく書き綴っています。

 〈・・・
 こんな体験をしました。まだ玄人の能楽師になる前です。客席で能を観ていたとき、ふと気づくと途中から能を観ていない。何をしていたかと言うと、ぼんやり自分のことを考え始めていました。しかも、普段は思い出しもしないような過去の記憶がふと意識の表面に現れる。
 以前、ある心理学者が言っていましたが、普段は思い出さないような過去をそのままにしておくと、あるときその思い出が自分に押し寄せて自分の人生を駄目にすることがあるそうです。たとえば、突然やる気がなくなったり、急に仕事を辞めたくなったり。私たちは、いまを生きるために過去の自分をどんどん切り捨てています。切って、捨てて、殺した自分がいる。その切った自分、捨てた自分が、能を観ているときにふっと出てくるのです。その衝撃が激しすぎる場合に、おそらく起きていることが不可能になって、寝てしまいます。よく言われる、能を観ると眠くなるという現象が起きる。これは、切り捨てた自分の魂が沈められるのではないか。これこそ現代における鎮魂なのではないのか。現代人が能を観る意味のひとつがそこにある、そう思いました。

 5-1ポピー白&オレンジ


 おそらく、中世以降に『平家物語』を聴いていた武将たちは、自らも人を殺してきた。そして平家の物語を聴きながら、平家の使者が、自分が殺した敵に重なり、さらには切って捨てた自分の過去とも重なり、心の中でその霊を鎮魂したのではないか。能を観ながら私はそう思ったのです。

5-3ポピー白一輪


 さて、そんな鎮魂の物語である『平家物語』は、現代の私たちからすると、人間論や組織論としても読むことができます。なぜ、平家をはじめとするあらゆる組織が衰退に向かうのか。どうすればそれを延命させることができた(かもしれない)のか――。『平家物語』で描かれる組織衰退のキーワードのひとつは「驕(おご)り」です。なぜ人は驕ってしまうのか。なぜそれが組織衰亡につながるのか。そんなことにも注目しながら、これから四回にわたり、『平家物語』を読んでいきたいと思います。

 5-4 ポピーレッド一輪


 大事なことをひとつ付け加えると、『平家物語』はフィクションです。実際に起きた歴史上の出来事をベースにはしていますが、細かいところで史実と異なる部分は数多くあります。また、『平家物語』の登場人物たちにはある種のキャラクター化が施されている場合が多々ある。今回は、実際の歴史がどうだったかということよりも、そうしたキャラクター化や象徴化に込められた意味を読み解きながら、物語としての『平家物語』を味わっていくことにしましょう。〉

5-6ポピーレッド一輪


『平家物語』 安田登
◇第1回 光と闇の物語 5月6日(再放送5月8日)
◇第2回 驕れるもの久しからず 5月13日(再放送5月15日)
◇第3回 衰亡の方程式 5月20日(再放送5月22日)
◇第4回 死者が語るもの 5月27日(再放送5月29日)
 ☆NHK Eテレ 100分de名著 2019年5月  
 ※放送:月曜日午後10:25~10:50
 ※再放送:水曜日午前05:30~05:55
         午後00:00~00:25




 『平家物語』巻九から「木曾殿の最期」

 
 信濃から兵を挙げあっという間に五万余騎となった味方の軍勢は、わずか半年にも満たずして、このときいつの間にか義仲の主従七騎となっていました。
 勢田で戦っていた今井四郎は、義仲のことが気にかかり、大津の粟津の浜に駒を進め行き会います。
 再会した二人のもとに味方の三百余騎が集まり、最後の戦いに打って出ます。
 義仲は僅かに残る二十余騎を以ってよく戦い防ぎ、遂に打出の浜に向け退きます。
 主従五騎+一騎(義仲、四郎兼平、多胡家包、手塚太郎光盛、邦和太郎弘澄、愛妾巴御前)となったのもあらばあれ、西軍はとうとう義仲と兼平の二人となってしまいます。

  3-1木曽義仲
    (木曽義仲)


 巻第九 木曾最期 〈 ・・・ 木曾殿の頸をば終に賜はつてんげり。太刀の鋒(さき)に貫き、高くさし上げ、大音聲を揚げて ・・・ 〉

 これを聞いた今井四郎は今はこれまでと、大刀を抜き鐙ふんばり、

 〈「今は誰を憚(かば)はんとて、軍(いくさ)をばすべき。見給へ東國の殿原、日本一の剛の者の自害する手本よ」〉
 と、大音声をあげます。
 そして、大刀の先を口にくわえ、馬からさかさまに飛び落ち、太刀に貫けられるようにして自決します。
義仲の乳母子として育った兼平は、主君より二歳年上の三十三歳でした。


 ~~~ 時に寿永三年正月二十一日、義仲は京に上って朝日将軍たること半年に満たず、三十一歳の若さでその生涯を閉じました。~~~



 2-1今井兼平
    (今井兼平) 


〈註:出処
 ・NHK 100分de 名著 2019年5月 『平家物語』安田登(能楽師)
 ・日本古典全書『平家物語 中』(富倉徳次郎校註.朝日新聞社発行.昭和31年5月20日第4版発行.)
 ・『兼平公八百年祭記念 今井四郎兼平』(著者竹内将人.発行所粟津史跡顕彰会.昭和48年12月21日発行) 〉




 
                 
        

皇后陛下御歌集 瀬音(せおと) わが君の

2019/ 04/ 30
                 


 わが君のみ車にそふ秋川の瀬音(せおと)を清(きよ)みともなはれゆく

     昭和五十六年 歌会始御題 音



 瀬音(せおと)
 皇后陛下御歌集『瀬音(せおと)』(平成23年6月30日新装版第三刷発行.発行所株式会社大東出版社)


  1 -1 天皇陛下・皇后陛下  切り絵赤・表正面 正


《 秋川の瀬音のあまりの清らかさから、わが君のみ車もその流れに沿って進むと共に、ご一緒に君と瀬音とに伴われてゆかれる御歌
 清らかな水の風情は、古来『万葉集』でも「朝床(あさとこ)に聞けば遥けし射水(いみづ)川朝漕ぎしつつ唱(うた)ふ舟人」のようにその水音に、『枕草子』では「月のいと明かき夜、川をわたれば、・・・・・・水晶(すいしやう)などのわれたるやうに、水の散りたるこそをかしけれ」(二〇八 月のいと明かき夜)のように透明さや、月に輝く水晶にも見まごう水滴の美しさとして人人の心を魅了してきた。
 清澄な瀬音に伴ってゆかれるみ車に、いつもどのような祈りも今上帝に添われていらっしゃる后宮様が面影となって参る大切な一首である。『皇后美智子さま 全御歌』2014年10月20日発行.釈秦澄美枝.発行所株式会社新潮社.》


                 
        

江戸時代 犬のお伊勢参り

2019/ 03/ 31
                 
 

  「伊勢神宮 宮川の渡し」歌川広重 〈おかげ犬(しめ縄をつけた白い犬)〉
その5  歌川広重 


  三重大学図書館蔵 歌川広重 「伊勢神宮 宮川の渡し」
 その3 三重大学図書館蔵



〔コラム〕
 街道が整備され、お伊勢参りや金毘羅参りが庶民の間にも定着していく中で、「犬のお伊勢参り」という世にも面白い現象が出現した。
 これは、人が飼い犬を連れてお参りするのではなく、歳を取るなどして自力でお参りできなくなった飼い主(人)に代わって、犬が、首にお布施を下げて伊勢まで旅をし、参拝する、つまり「犬のお遣い」なのである。
 参拝に赴く犬が道中、食べ物や水、休憩場所を与えられたり、道案内をしてもらったり、時には首の巻物が重かろうと持ってあげる人が現れたり、お金を袋に入れてくれたりと、多くの人の助けを得てお伊勢参りを果たし、無事に飼い主のところへ戻ったということだ。俄かには信じられない話だが、詳細な記録がいくつも残っている。
 「犬のお伊勢参り」の最初の記録は、明和八年(1771)、山城国(現在の京都府南部)の高田善兵衛という人の犬が、外宮(げくう)、内宮(ないくう)に参拝したというものだが、次第に全国に広まったようで、多くの書物に記されている。
 なかには、安芸国(現在の広島県西部)から伊勢にお参りした豚の話まであり、これはさすがに「珍しきこと」と書かれている。(「耳囊〈みみぶくろ〉 )。
 このエピソードに接して、まず驚き知るのは、当時の日本の津々浦々の治安がいかに良かったか、市井の人々がいかに暢気な優しさを備えていたかである。貧しく治安の悪い国であれば、犬が首にお金など巻いて歩いていたら、たちまち捕まって金を盗られ、犬も食べられていただろう。
 この話からは、当時の日本人の物心両面の豊かさはもちろんのこと、現代の日本人にも通じる巡礼者への接し方、動物への独特な接し方をも見ることができる。
 ‐日本国紀 著者 百田直樹 発行所 株式会社幻冬舎 2018年11月10日第1刷発行‐ 

                 
        

駅前交番事件簿  ジーヴスの事件簿シリーズ

2019/ 03/ 13
                 
 
 平成31年1月の「駅前交番事件簿」
 (1月1日から31日までの暫定値)

◇自転車盗・・・・5件
◇万引き・・・・・1件
◇置引き・・・・・1件
◇空き巣・・・・・2件
◇器物損壊・・・・1件
◇その他犯罪・・・4件

 ほんのちょっとの外出でも、鍵をかけましょう!
 



 美智子皇后陛下、新しい御代にお読みになる本ということで一躍脚光を浴びた「ジーヴスの事件簿シリーズ」

 イギリスの作家、p・G・ウッドハウス(1881~1975)の代表作となった、「ジーヴスの事件簿シリーズ」。
 「世界最高のユーモア小説」との評もある人気シリーズです。

  「執事のジーヴス」に関心が高まっているこのシリーズは、二つの出版社が翻訳本を出しています。
 勿論、主役は執事ジーヴス(ジーヴズ)。
ご主人、バーティに仕えています。
 先ずは、文春文庫の「才智縦横の巻」カヴァーを見てみましょう。
 〈 20世紀初頭のロンドン。気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年には、厄介事が盛りだくさん。親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、アガサ叔母は次々面倒な縁談を持ってくる。だがバーティには嫌みなほど優秀な執事がついていた。どんな難題もそつなく解決する彼の名は、ジーブズ! 世界的ユーモア小説の傑作選。〉

 才知縦横の巻 ジーヴズの事件簿


文春文庫版の「才智縦横の巻」初版は2011年5月10日に、「大胆不敵の巻」初版は2011年6月10日に、それぞれ発行されています。

 大胆不敵の巻 ジーヴズの事件簿.




 「シリーズ全14冊」(※)を揃えているのは、国書刊行会によるものです。なお、国書刊行会版では「ジーブス」、文春文庫版では「ジーブズ」と、それぞれ主人公の名前を表記しています。